朝寝 ページ43
目が覚めると部屋の中に薄っすらと太陽の光がカーテンの隙間から漏れてた。スマホのロック画面を見るとまだ午前7時過ぎ。二度寝しようかな。あー、でも何か目覚めちゃったかも。
あ、Aさんは……まだ寝てる。Aさんが初めて俺の家に泊まった事を思い出した。隣を見るとこっちを向いて寝てるAさんがいた。何だかんだで寝てる彼女を見るの初めてだ。
寝る時繋いでいた手はいつの間にか離れてしまっていたから、投げ出されていた彼女の手を握った。そしたら寝てるのに握り返してくれた。調子に乗って指を絡めてみた。起きてほしいような起きてほしくないような、そんな気持ちでAさんの手を触る。
こんな小さい手であんな上手な絵を描くんだよなぁ。凄いなぁ。Aさんの絵本を描いてる姿は見た事ないから、いつか見てみたい。シルクもそんなような事をポツリと言ってたし。
Aさんは1人で絵本を描いてんのかな。漫画家はアシスタントの人とかいるじゃん？絵本作家はどうなんだろう。俺Aさんの仕事に対して知らない事多いな。もっと知りたい。
むにむにとAさんの手を弄ってるとまた俺の手を握り返した。ふと顔を上げると困惑した顔の彼女と目が合った。ヤバ、俺が起こしちゃったかな。慌てて手を離した。
そしたらAさんの方からまた手を握ってきた。Aさんから手を握ってきたの初めてでびっくりした。
「Aさん？」
おはよう、とAさんの口が動いた。一拍遅れて俺も挨拶を返した。眠いのか目がとろんてしてる。可愛い。寝起き初めて見たけど、寝起きいい方ではない、のかな。まあンダホに比べればほぼの人が寝起きいい事になるな、うん。
まだ寝惚けてるAさんに読話は難しいかと思ってスマホのメモに文を打ち込む。それを彼女に見せた。
《まだ眠いなら二度寝してもいいよ》
そしたらね、ふにゃって笑って俺の手を握り直したかと思ったら瞼閉じちゃったんだよ。二度寝したっぽい。もう、Aさん朝から可愛すぎ。
俺も目を閉じてればまた眠れそうだった。Aさんの手温かいし。しっかりと指を絡めて目を閉じた。
「おやすみ」
こんな幸せな朝を迎える事ができたのも全部Aさんのおかげだ。だからもうちょっとくらいこの幸せに浸っててもいいよね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀧(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (
レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください！ (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀧 | 作成日時：2019年7月1日 0時
