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｢おはよ知念｣

｢おはよ、大貴今日は遅刻しなかったね｣

｢まぁ、俺が一緒でしたから｣


ロケだったのは事実
泊まりになったのも事実
ただ、ひとつの嘘は俺は大ちゃんに友情なんて感情を持ってないってこと。


知念が頬をあからめるたびに
大ちゃんの手が知念を触るたびに
俺の心臓にはナイフが当たる。

グサグサっと音を立てて
泣いてしまいそうになるのを必死で耐える

それはきっと誰にもバレない
俺のポーカーフェイスで。

撮影が終わり各々が楽屋をあとにするメンバーの背中を見送り荷物を詰めながら

｢今日、お前の家いい？｣

なんて顔もあげずに聞かれる

｢いいよ ご飯は？｣

｢食べてくるけどお前の飯食いたいから適当につまめるの｣

｢分かった また連絡して｣

これが恋人ならどんなにいいだろう

そう思ったところで悲しい恋に変わりはない


｢じゃああとでな｣

そう言い、やはり合わない目はきっと楽屋の外で待つ知念を見ているのだろう。

バタンと音を立ててしまった扉

｢…っ、｣

それに安心して流れた涙

そして

｢もうやめればいいのに｣

背中からの暖かい温度

｢…雄也、｣

｢俺…お前のこと、｣

｢俺は大ちゃんが好きだから…｣

｢…分かってる、けど、｣

｢へへ、雄也は優しいね、っ、｣

｢笑わなくていいから、｣

｢…大丈夫だよ、ありがとう｣


好きになってくれる人だけを好きになれなら
どんなに幸せなんだろう。


いっその事雄也を選べば幸せだろうな。


でも、結局俺は＿＿＿＿＿＿＿＿

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