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圭人の言った"寂しい"と、やまちゃんの言う"寂しい"とは意味が違うことくらいわかる。
はは、日本語って本当に難しい。
だからこそ、愛おしい。


｢俺もね、やまちゃんに会えなくて寂しいよ。会いたいっていつも思ってる｣

『……そっか』

｢…やまちゃん｣

『なんだよ』

｢好きだよ｣




ガタンっ、ガサッ、バン！！


電話の向こうから物凄い音がした。



｢ちょ、やまちゃん！？もしもし、大丈夫！？｣

『────ガガッ、カタン…もしもし、わり、スマホ落とした…』

｢やまちゃんは？怪我してない？｣

『してねぇし、』

｢でも、泣いてる｣

『ばか、圭人、ゴリラっ』


サァ、と吹き込む風は早朝独特の匂いと温度を連れてきて、いつだったかやまちゃんちのベランダで肩を寄せあって飲んだココアを思い出した。


『なんっで今言うの、ほんとバカじゃね』

｢ごめんね｣

『日本出る前に言えよ、俺がどんな気持ちでっ』

｢うん？それって、やまちゃんも圭人のことが好きってことでいいの？｣

『っっんな、ちが、は？バカお前、』

｢あーもう泣かないでよ。傍にいけないのに｣

『そんな時に言ったのはお前だろ！？』


ぐずぐずと鼻を鳴らして、バカを連発するところがやまちゃんらしい。


｢圭人さ、必ず大きくなって帰るから。
そしたらやまちゃんと一緒に芝居のお仕事したいな｣

『…おぉ。主演は渡さねぇけどな』

｢あとね、また一緒に曲を作りたい。
それが主題歌になるんだよ｣

『ふ、らしくない強気な夢語るね』


やまちゃんの隣にいても恥ずかしくないような男になりたい。
何歩も後ろなんかじゃなくって、本当に肩を並べて歩いて行けるような。

やまちゃんとたくさんの時間過ごしてきたけれど、俺より低い位置にあるはずの背中は小さいのに広くて、遠かった。

今なら決意を込めて言えるよ、



｢好きだよ｣

『あーもう、…俺も好き』

｢そばに戻れるまで待っててね｣

『それまでにお前よりいい人出て来てたらごめんな？』

｢え、ちょ、やだ｣

『っはは！……バーカ、待ってるよ』



やまちゃんがいつだって離してくれなかったこの手、今度は圭人から握るよ。

心からの愛してるを込めて握ったら、もう離す気はないから。




《Shee.》


きみへのメロディー/ジャニーズWEST

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