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｢大ちゃん、早く！｣

｢ちょ、｣



芸能科があるのだから当たり前かもしれない
警備の人の"何をしてる！"はドラマのセリフかと思っていたのに、まさかほんとに言われるとは思ってもみなかった。


楽しそうな伊野ちゃんの"へへ"って笑い声に
ギュっと繋がれた手のひらはこのまま離れたくないと思わせてくる。



しばらく走ったら伊野ちゃんの車が見えてきて


｢ほら、早く乗って！｣

｢っちょ、シート濡れちゃうよ、｣

｢いいから、ね｣

無理食い押し込められたクルマの扉が
バタンっと閉まり
運転席に乗り込んだ伊野ちゃんがエンジンを入れてハンドルを切って

｢ふふ、ドキドキしたね…｣

なんてまた楽しそうに笑う

｢ほんと、もぉ、はぁ…走ったぁ…｣

やっと大きく息を吐いた俺の呼吸は

｢っ、ぅむ、…は、っ｣

急ブレーキと共に塞がれた唇により
再び止まった。


｢ちょ、いのちゃ、｣

｢大ちゃん。俺はね、なにがあっても大ちゃんの隣にいたいと思うよ。大ちゃんが俺の事嫌いになる時までそばに居るから俺｣

｢…ばかなの、｣

｢ふふ、どーだろうね。でも、後悔はさせないよ｣


そういった横顔は今まで見てきたどの伊野ちゃんの表情より男らしくて、かっこよく見えて


また小さく俺は自信を失う。



｢大ちゃん、泣いてるの？｣

｢ちが、｣

｢ふふ、笑ってる？どっち？
もー暗くてよく見えない、｣



赤信号で止まった車



両手で伊野ちゃんの頬を左に向かせて

自分の唇を重ねた。






こんな素敵な伊野ちゃんが、これ以上
他の誰かに見つかりませんように。







そう願いを込めて_＿＿＿＿＿＿＿＿









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＊くじら＊

Mr.Children 車の中で隠れてキスをしよう

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