タラレバ流星群(yb×hk) ページ1
yb視点
"やぶ!ゲームしよ!"
そう言って笑った一つ下のお前には、恋なんてしてなかった。
"なんでわかんねぇんだよ、"
デビューして一年、グループをまとめるために嫌われ役を買って出たお前が俺の前だけで泣いた時、多分俺は恋をした。
思い返せば俺の人生にはいつも光がいて、お互いに小さかった体が大きくなっても背中を並べて立っていた。
今更光無しの人生など考えられなくて、
今のままでも充分じゃねえかって。
俺にとって光が永遠の相棒であるように、光にとっても俺の代わりはいないだろなんて。
性別、職業、長く居すぎたこの関係。
悩みは尽きることはなかったけれど、それでも欲しかった。
それでもたまにふと思う。
俺がこいつを縛り付けてやしないのか、と。
末っ子気質なのはお互い様のはずの光が妙にしっかりしてしまったのは、俺が頼りなかったせいじゃないか、と。
「…ぶ、やぁぶ!」
「へ、あ、…悪いボーッとしてた」
「もう。風邪ひくぞ、ほら」
風呂上がりにだらだらと髪を拭きながら意識があらぬ所に行っていた俺の手を引いて、ドライヤーで髪を乾かしてくれる。
「…黒髪いいじゃん。似合ってる。
めっちゃ髪傷んでるけど」
「おお、ありがと。トリートメントしたんだけどな」
「続ければマシになるよ。俺、見た目の割に髪柔らかいよ?」
くるり、と振り向くと至近距離で見上げる光の瞳が驚いたように揺れた。
「ほんとだ、やらけー。猫みたい」
「っばーか、気持ち悪いもんに例えんな!」
嫌悪感を剥き出しにしながらも、結局俺の掌に擦り寄ってくるところまで猫みたいなんだけど、それは言わないでおく。
「光は、さ?」
「なに?」
「俺といて幸せ?」
「…はぁ?」
「いや、近場で言ったら雄也なんて優しくていい男だしさ、伊野尾だってお前の扱いよくわかってるし、裕翔は男らしくて、」
「何言ってんだお前は」
ドライヤーのスイッチをかちり、と切る。
風の音が消えて、光の小さなため息が響く。
「やぶってほんと、賢いくせにバカだよな」
「なんでだよ」
「たられば、なんて人生において最も意味が無いことだよ。
あの時こうしてたら、ああしてれば、あいつだったら、とかさ。
考えたっていいことはひとつもない」
「…おぉ」
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やまたかLOVE - とても面白くて大好きな作品ですっ!更新頑張ってください! (2020年1月5日 19時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 可愛くて素敵なやぶひか供給ありがとうございます〜。ぜひこれからもお願いしたいです。切実にお待ちしています。 (2019年3月19日 21時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 1話1話、それぞれのお歌に合った物語の紡がれ方になっていて、読んでいてとてもワクワクしています。おこがましいですが、私からもリクエスト宜しいでしょうか。嵐の相葉くんの『じゃなくて』を題材に、なにか1つ書いていただきたいです。更新待ってます! (2019年2月1日 17時) (レス) id: dea4eacb95 (このIDを非表示/違反報告)
ららん(プロフ) - はじめまして。ありやまとありちねの見させていただきました!今回も素敵です!もし良ければ続編で有岡くんと山田くんが結ばれるバージョンが見たいです。 (2019年1月25日 16時) (レス) id: 5ecec66850 (このIDを非表示/違反報告)
もか(プロフ) - Shee.さん» Sheeさん本当ですか(震)こちらこそ読ませて頂いてるので震えが止まりません涙こちらこそよろしくお願いします! (2019年1月25日 7時) (レス) id: dc2f2337d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shee.くじら x他1人 | 作成日時:2019年1月24日 23時