愛を知らない夏 ［Taiga］

ずっと ページ32

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「俺が作るよりおいしいと思って」

「え、」

「これはミネストローネで、これは豚汁みたいなやつ。
Aが好きそうかなって買ってきたけど」


"好き？"って眉をくいっとあげて聞いてきたから、そのまま「好き」と即答してしまった。

「あ…」




思わず感情のままにこぼれ落ちた"好き"に居た堪れなくなって、動揺するわたしを見て大我が目を輝かせてコロコロ笑った。


「好き？」
「うん好き」
「んふ」

なんか、甘い。



「いただきます、」

「うん、どうぞ召し上がれ」

「大我が作ったんじゃないでしょ？」

「あ…そうだった」

「でも、ありがとう、うれしい」




また"ふふ、どーいたしまして"とお得意の天使みたいな笑顔。

この笑顔見るだけで、疲れが吹っ飛ぶんだよね。




「俺もたーべよ、」とわたしの正面にあぐらをかいて、
小さく"いただきます"とつぶやいて、豚汁を食べ始めた。


咳き込む大我に「大丈夫？」と聞けば
「やばい、七味入れすぎた」と笑いながら水を飲んだ。




わたしは、大我イチオシの野菜たっぷりのミネストローネを選んだ。

「それより、寝てなくて大丈夫？」

「ん？」

「お腹、つらくない？」

「あ…うん、私あんまりつらくならないの、ちょっとだるいくらい」

「人によって違うんだ…」とウンウンと頷く大我。



こうやって、
女の子ひとりひとり、優しく接してきたんだよね。


今この瞬間はすごく嬉しいけど
胸の端っこが、チクっと痛んで気になる。


嫉妬してるんだ、わたし。




食べた後も、
「つらくない？」って聞いてくれるし
「片付け、俺がやるから休んでて」って言うから
「大丈夫だよ」って返したら、

「でも、今日はAを優しくする日だから」って頭を優しく撫でられた。


本当に大好きな人に頭撫でてもらうって、
こんなに気持ちいいんだ、、。




寝るときも、ずっと隣で頭撫でてくれたり
手をギュッて握ってきたり、お腹に抱きついたり

どこかずっと触ってる。


そしていつもみたいにしれっと胸をやんわり揉んでくる。

「こら」
「んー？なーに？」

ふふ、って耳元で笑うからくすぐったい。




「ずっと生理でいいかもなあ、」
「え！！だめだよ、」

"えっち、できないじゃん"って
耳たぶを少し噛んで引っ張った。

「んぁ、」
「えー？ねえ変な声出さないでよ」


本当に、ずっと続けばいいのにな。


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冗談 (9/9)→←汗

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