愛を知らない夏 ［Taiga］

"ともだち" ページ1

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「よっ、」



恋人同士通り越して
もはや夫婦みたいに

いや、むしろ友達？


「遅かったね」とわたしを出迎えるのは大我。



「あれ、スーツ？」
「そ！俺も働いてるからね、一応」


どうぞどうぞ〜と丁寧にスリッパまで用意してくれるのは毎度のこと。






「今日仕事長引いちゃって、俺もさっき帰ってきたとこなの」

この人も昼間は仕事してんだなあ、なんて腕まくりしているシャツの皺を見つめる。


脚もよく見たらすらっとしてるし、
女の子たちにちやほやされてんだろうなあ




ふーん、



「ふーんって何、興味ない感じ？」
やばい、心の声が漏れてたみたい。



「興味ないというか別にどうでもいいみたいな」
「それ興味ないって言うんじゃん！！」

ぷんすかぷんすか、かわいい。





「まあいいけど。A、ごはん食べた？」
冷蔵庫を覗きながら言う。


「食べてない、けど材料あるなら何か作ってもいいよ」
「うーん、Aの手料理も食べたいけどお、今お腹ぺこぺこだからなあ」

冷蔵庫から水の入ったペットボトルを出して一口飲んで「飲む？」と聞く、いつものルーティン。



うん、と言えば水を口に含んで
ご丁寧にキスで飲ませてくれる。



「んぅっ、ちょっ、こぼれた」
首まで水が伝うからあんまり好きじゃないけど
大我は嬉しそうだからまあいい。

「んふっ、いいね」


"いいね"とは。




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