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綺麗な花に囲まれてバイトをしながらも、毎日学校はある訳で。
バイトではこれといった進展もなく、じょう先輩とは他愛もない話(好きな食べ物とか家族の話とか勉強の話とか…)をするぐらい。
行きはタイミングが合えば一緒に行くこともあったけど、じょう先輩もチャリ通やからあっという間にお店に着いちゃうし。
けど放課後もじょう先輩と一緒にいれるだけで大満足やし、大ちゃんと正門にも幸せそうやなぁって言われるし。
とりあえずは今のままでいいんかな、とか思いながら…
気付けばセーターを着て手袋をしてマフラーまでしないと寒くて自転車に乗れない時期がやってきた。
花壇にはノースポールがたくさん咲いていて、冬の足音が聞こえてくる。
マフラーをぐるぐるまきにして自転車を停めると「和也〜!」と後ろから声が聞こえてきた。
「真鳥先輩!お久しぶりです!」
真「久しぶりぃ〜マフラーしてる和也も可愛いなぁ〜」
「いやいや!(笑)久しぶりに真鳥先輩とお話できてうれしいです!」
真「俺もめっちゃうれしい〜もう教室に一生籠もってるし学校終わった瞬間塾直行やし毎日苦痛で仕方ない〜」
「もう今から受験生になりたくないです…あ!」
そう言えばかばんにはちみつ味の飴ちゃん入れてきた、と思い出してカバンの中を探る。
「あった!これ!糖分摂取して頑張ってくださいね!」
真「はぁ〜〜〜嬉しい…ありがとうな!和也にもらった飴ちゃん〜末澤に自慢しよ〜っと。」
ほなね〜と手を振って行った真鳥先輩の背中を見つめる。2年後には俺も受験かぁ、と考えただけで頭が痛くなる。
丈「真鳥くんだけせこいぞ〜」
「あ、じょう先輩!おはようございまっす!」
丈「おはよ〜俺には飴ちゃんないの?」
寒いのか鼻を赤くしてマフラーをぐるぐる顎元まで巻き付けたじょう先輩が手を差し出し催促してくる。
手袋してないから指先がまっかっかで震えてる。冷たそう〜、そう思ったときには手をぎゅっと握ってた。
「指先めっちゃ冷えてるじゃないですか!」
丈「え?あぁ、ちゃうちゃう!飴ちゃん!」
「手袋した方がいいですよ!はい、飴ちゃん!(笑)」
ありがと、と受け取ったじょう先輩と「ノースポールめっちゃ可愛い花ですよね」なんて会話をしながら下駄箱に向かった。
ふたりとも口から白い息が出てて、本格的に冬やなぁと少し寂しい気持ちになった。
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おまめさん(プロフ) - 樹れれ*さん» コメントありがとうございます!そしてすごく嬉しいお言葉…心に滲みます…(泣)引き続き、温かい目で見守ってやってください! (2020年6月7日 16時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
樹れれ* - コメント失礼します!最近この小説を読むことが日課になりつつあるくらい大好きです。純愛で、それでいて儚い青緑を書ける主様素晴らしすぎます!(緑くんの純粋さが疲れをとってくれる癒しです。。)毎度の更新楽しみにしています。お身体にお気をつけてください(*^^*) (2020年6月7日 0時) (レス) id: d9fa3e456d (このIDを非表示/違反報告)
おまめさん(プロフ) - ももさん» コメント読んで嬉しすぎて上がった口角が下がりません…そう言っていただけると活力になります!少しでも読んでて良かったと思っていただけるような結末に向けて書いていきますので、温かい目で見守ってやってくださいませ! (2020年6月6日 23時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 初めてコメントします。私自身嫌なことがあった日も、この小説読むと吹き飛ぶくらい大好きです笑、長編は連載大変やと思うので、マイペース保って無理せず頑張ってください!陰ながら応援してます。 (2020年6月6日 21時) (レス) id: 1c767c69e9 (このIDを非表示/違反報告)
おまめさん(プロフ) - イチゴさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(´;ω;`)ゆっくりになりますが、今後もご愛読宜しくお願いします! (2020年6月6日 0時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おまめ | 作成日時:2020年5月3日 23時