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「え〜っと…何を話せばいいですか?(笑)」
きっと今俺の眉毛はハの字になってるやろな、なんて考えながら先輩達に尋ねる。
末「まぁ、誰なんかはさすがに聞かへんからその人の好きなとことか!どんな人なんか、とか?」
末澤先輩の隣でニヤニヤしているじょう先輩。
あなたですよ〜なんて言える訳もなく。
「ん〜好きなところ…は…優しい目、とか、あったかい心を持ってるところ、とか、…まぁ、一目惚れ、みたいな感じなんですけど…」
丈「一目惚れ?ほんまそんなんあんねんなぁ」
だから、あなたですよ〜と言いたい気持ちを抑える。
「…心を奪われた、みたいな…初めての感覚…で、まぁ、知れば知るほど、惹かれていって…みたいな…改めて考えるとどこが好き、とかっていうか、その人だから何してても好き、みたいな…はい…」
末「いや、ベタ惚れやん!!!めっちゃ可愛いこと言うやん!!!ここまで言われると相手ばり気になるわ!!めっちゃええ子なんやろなぁ!」
丈「大橋にここまで言わすってな?相当ええ子やで…」
末「進展はあんの?上手く行きそうなん?!」
好きな人は目の前にいて、その好きな人の好きな人も目の前にいて、俺は好きな人の目の前で好きな人について語って、好きな人は俺の好きな人を絶賛してて、…まぁ、すごいカオスな状態。
ここまでくると、悔しさも出てきて。
自分や、って気付けばいいのに、気付いて、少しでも俺のことを気にしてくれたらいいのに、なんて。
そんな欲まで出てきてしまって。
「進展は、ないですよ!だって…」
末「だって?」
「…俺の好きな人、好きな人いてるらしいんです。だから、俺は叶わん恋してるんですよ。」
秘密ですよーなんてヘラっと笑って、自嘲した。
じょう先輩を見ると、口を少しだけ開けたまま、悲しそうな表情をしている。俺と同じ境遇や、って思ってるのかもしれん。
末「そうなん?!けど付き合ってるとかじゃないんやろ?チャンスあるんちゃん?」
そんな末澤先輩の発言に目線を手元に落とし唇を軽く噛み締めるじょう先輩。
そらそうや、だって、遠回しに
”付き合ってたらチャンスはない”
そう言われてるようなもんやねんから。
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おまめさん(プロフ) - 樹れれ*さん» コメントありがとうございます!そしてすごく嬉しいお言葉…心に滲みます…(泣)引き続き、温かい目で見守ってやってください! (2020年6月7日 16時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
樹れれ* - コメント失礼します!最近この小説を読むことが日課になりつつあるくらい大好きです。純愛で、それでいて儚い青緑を書ける主様素晴らしすぎます!(緑くんの純粋さが疲れをとってくれる癒しです。。)毎度の更新楽しみにしています。お身体にお気をつけてください(*^^*) (2020年6月7日 0時) (レス) id: d9fa3e456d (このIDを非表示/違反報告)
おまめさん(プロフ) - ももさん» コメント読んで嬉しすぎて上がった口角が下がりません…そう言っていただけると活力になります!少しでも読んでて良かったと思っていただけるような結末に向けて書いていきますので、温かい目で見守ってやってくださいませ! (2020年6月6日 23時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 初めてコメントします。私自身嫌なことがあった日も、この小説読むと吹き飛ぶくらい大好きです笑、長編は連載大変やと思うので、マイペース保って無理せず頑張ってください!陰ながら応援してます。 (2020年6月6日 21時) (レス) id: 1c767c69e9 (このIDを非表示/違反報告)
おまめさん(プロフ) - イチゴさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(´;ω;`)ゆっくりになりますが、今後もご愛読宜しくお願いします! (2020年6月6日 0時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おまめ | 作成日時:2020年5月3日 23時