はなことば

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金木犀の蕾が出始めた頃、我が高校の学園祭が幕を開けた。

じょう先輩と古謝先輩と今江先輩のクラスはROUND○をイメージしたアトラクションコーナーらしい。店番もそんなにないから楽やで〜って言ってたなぁ。

真鳥先輩と末澤先輩のクラスはオバケ屋敷！二人共お化け役にはならんらしくて呼び込み要員らしい。
まあビジュアル担当の二人がお化けになんかならんよなぁ。(笑)


そして、

朝指定された時間(これがめちゃくちゃ早朝やった)に教室に入ると既に執事に扮した女子達が。

「待ってたよ〜」

と笑顔で手招きをされ、有無言わさず椅子に座らされる。

「なぁ、これほんま大丈夫かな…？」

そう尋ねると

「あのな、大橋くんはまじで可愛い顔してるから大丈夫。ネタ枠じゃないで。」

とすごい真剣な顔で言われた…。
いや、なんか、なんか複雑やねんけど…。
もう気合を入れて頑張るしかない！


「はい、おっけー！あとはこれに着替えて！って、…ちょっとほんま可愛ない？！うち天才ちゃう！？ちょ、みんな！見て！？」

どうやらメイクが終わったらしいけど目を開けると女子に取り囲まれる…


「完成度えぐっ！」

「これ優勝。」

「いや、まって？うちが担当してる西畑くんも負けてない。」


チラッと目を向けると、メイド服を着てポーズを決めているノリノリの大ちゃんの姿が。


「ちょっと！(笑)ノリノリやん！無理！可愛いで！！(笑)」

大「せやろ？俺、我ながら鏡見てイケてると思った。」

正「2人はいいわ！元が可愛いから！俺は頑張っても男やぞ！」

「「ちょっ！！！(笑)あかんて！！！(笑)」」


正門のメイド服は想像通りのもので爆笑してしまう。
笑うなや！！って言う正門も面白い。


「大橋くんは、意外と…脚が、立派やから…ロング丈のメイド服でよろしく！！(笑)」


そう言ってロングスカートのメイド服を渡された。確かに大ちゃんは脚が細いからミニスカートでもいけるけど、俺はアスリートみたいな脚してるから…。


学園祭マジックか段々この状況が楽しくなってきて苦じゃなくなってきた。

3人で写メを撮り、「こんな子おったら声掛けるで！」とかお互いを絶賛し合いながら店の準備を進めていった。


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