はなことば

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「あーーーーー！！ひ！！ま！！！！」


夏休み5日目にして既に暇がピークに達してもーてる。この俺がもう宿題終わらせた、そんくらいには暇。

大ちゃんと正門と遊ぶ約束をしてるのは明後日。こんなに友達と会わんかったらつまらんもんやっけ？あーー喋りたい！騒ぎたい！


ベッドの上は暑苦しいから、冷たい床に寝転がって天井を仰ぐ。
クーラーつけたい…暑い…勉強以外でつけたらあかん言われてるから我慢…いや、つけてもバレへんのちゃうか…そんなことを考えていると


「かーずーー！ちょっと買い物行ってきてくれへん？！」


リビングから聞こえるお母さんの声。


「お母さんが行ったらいいやんかーー！」

「お母さんって誰よ！！！ママって呼んで！！！」


まあ夏休み中家から出てないし、このままやとデブまっしぐら…運動がてら行くか。

パンイチの体を頑張って起こし、Tシャツと半パンに着替える。まぁ、近所やしこんなもんでいいやろ。


「ほな、行ってくる〜」

「買い忘れないようにしてね〜！」


自転車に跨るのも5日ぶり。てか部屋より外の方が涼しいなぁ。意外と風吹いてるやん。気分転換に出るのもいいことやなぁ〜なんて考えながらスーパーに向かった。
いつもと違う道で、運動するために〜と思い遠回りで向かう。

こんな道初めて通ったかもしれへん。こんなとこにこんなお店あったんや。新しい発見。


「わ、おっしゃれ〜…花屋さんやん！ちょっと寄ろ〜。」


初めて見つけたおしゃれなお花屋さん。
外観はレンガ造りできれいな花がたくさん置かれている。いい香りがする。

自転車を停め店内に入ると更にお花の香りが濃くなり一気にスッキリとした気持ちになった。


「え！かずややん！！！！」

聞き覚えのある声に目をやると、そこには店員さんと同じエプロンをつけた末澤先輩がいた。

「末澤先輩！！！バイトされてるんですか！？」

そう尋ねるとちゃうちゃう！と笑う末澤先輩。
頭上にはてなを浮かべて見つめていると

「ここ、俺の親の店！勉強の休憩がてら店番手伝ってんねん。」

と教えてくれた。

「ええ！めっちゃいいじゃないですか！すごい素敵なお店！おしゃれやなぁって惹かれて入りました！こんなに花に囲まれて過ごしてるの羨ましいです！」


興奮気味に末澤先輩に言うと、おまえちょっと落ち着け！(笑)って笑われてしまった。



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