絆 ページ26
ハンジ「もうほんと、無茶するったらありゃない」
怪我をした足に包帯を巻いてくれたハンジさんが、溜め息交じりにハサミで包帯を切って止めた。
あのあと腑には落ちないものの帰る以外に選択肢はなく、ハンジさんとミケさんに合流して帰る道中、事を説明した。
今はまだ、正直何も分からない。
でも、その中でもひとつ確かなのは＿＿
私達はまだまだ何も知らないということ。
私達は調査兵団として巨人と接触する機会は格段に多い。だからこそ、私達はたくさんの武器を持っているし戦いかたを知っている。
でも巨人の謎について知ってることと言えば、中央や政府とは比べ物にならないくらい少ない。恐らく何も知らずに生活している市民と同じ程度だ。
いつの間にか力が入っていた拳に先に気付いたハンジさんが、優しく私の肩に手を置く。
ハンジ「あんまり独りで抱えこむのは良くない。
今回は君の責任だけではないし、最も、焦ったところで中央の奴らが何か教えてくれるわけでもない」
…ハンジさんの言う通りだ。
今焦ったところで意味はない。私は深呼吸して、ハンジさんに微笑みかける。
「そうですね。…ありがとうございます」
ハンジさんだって当然気になっているはずだ。私がもう少し上手く出来れば、もっと巨人の謎について知ることが出来たかもしれないのに。
けれど、ぐちぐちと考えて後悔しても意味はない。今はただ前と同じように、とにかく我武者羅に巨人を討伐して、捕獲して、調べて＿＿＿私達が今までやってきたことを、地道に繰り返していくしかない。
ハンジ「はい、出来た。しばらくは安静にしないとだめだよ。じゃ、邪魔者は退散するからごゆっくり」
ハンジさんは立ち上がると、ひらひらと手を振って急患室を出ていく。意味が分からずにきょとんとしたのも束の間、ハンジさんと入れ違いに、先程までエルヴィンさんと話していたはずのリヴァイさんが入ってきた。ついさっき自分の本当の気持ちを自覚した私は彼の顔を正面から見れなくて、つい目をそらす。室内に若干気まずい空気が流れた。
リヴァイ「…怪我はどうだ」
「…大丈夫です」
リヴァイ「チッ…強がるんじゃねぇ。当分は訓練も休め。場合によっては次の壁外調査も考える」
さすがに聞き捨てならない言葉に、ハッとして顔を上げた。無茶したこと、怒っているのだろうか。しかしバチリと合った瞳は、私の想像と裏腹に優しい温かさを孕んだものだった。
リヴァイ「…やっと目が合いやがった」
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むささび(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました。とても面白かったです。番外編ではなく、是非続編として本編のストーリーで夢主ちゃんが活躍＆キャラと絡むのか拝見したいです！一先ずはお疲れ様でした！また拝見出来る日を楽しみにしております。 (6月26日 17時) (
レス) @page35 id: 2279a97b0b (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます！完結まで見届けてくださり嬉しいです🙇♀️これからもがんばります、、！！ (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます！とても光栄です🙇♀️これからも頑張ります！😭 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - らなさん» ありがとうございます…！とても嬉しいです😭これからも頑張ります💪 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！素晴らしい作品だったので無事完結したことを嬉しく思います！！すっっごい面白く、素敵な作品で、あっという間に最後まで読んでしまいました！これからも頑張ってください！！！ (2023年3月15日 23時) (レス) @page35 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年10月22日 22時
