◆ ページ32
リヴァイさんの部屋から出て1時間。私は旧本部の庭でひたすらに花に水やりをしていた。
＿＿気になる。物凄く、気になる。
リヴァイさんはまだ書類をやっているのだろうか。ちゃんと飲み物を飲んで休憩を挟んでいるだろうか。もし倒れてたり何てしたらどうしよう。
ここまで考えてしまう自分に、心底呆れると共に、私は相変わらず彼に酷く心酔しているのだと、自覚する。
先程の冷たい声と言葉を思い出して憂鬱になる。
確かに私も無理矢理辞めさせようとしてしまったがあんな態度を取らなくたっていいじゃないか。そう思うのと裏腹に、やはりどうしてあんな可愛げのない態度を私自身も取ってしまったのかと、後悔の念が積もっていく。
このまま、長引いてしまったらどうしよう。これは喧嘩、と呼ばれるものくらいの事案なのだろうか。そもそも、疲れているリヴァイさんへの寄り添い方を間違った私は、補佐失格じゃないだろうか。
ぐるぐると考えている内、水やりは終わってしまった。空になったじょうろをぼんやりと眺めていると足元に何やら柔らかく、温かいふさふさとした感触がする。
「えっ…？」
驚いて足元を見てみると。
「＿猫」
私が足元にいたその正体を呼ぶと、にゃあと返事をするように猫は小さく鳴いた。
「ふふ、くすぐったい」
足元にぐるぐると喉を鳴らしながらすり寄られ、張り詰めていた心が解けていく。
私はじょうろを横に置いて、草原に座る。
「…今気づいたけど、君誰かさんに似てるのね？
黒くて、小柄で＿＿ふふ、目付きが悪い」
猫はまた呼応するようににゃあ、と鳴いた。
その柔らかな毛並みを撫でながら、ぽつりぽつりと独り言を漏らした。
「可愛くない言い方しちゃったけど＿許してくれるかな？でも本当に…心配だっただけなの。どうしても、私は補佐なのに彼ばかり負担を負って、私は楽な仕事をしてるのが嫌で＿＿
もっと、頼ってほしかった。
謝らないといけないけど＿勇気がないな…。もし、許してくれなかったら、どうしよう…ずっと、このままだったら…」
思わず涙ぐんだ私の頬を、ぺろりと猫が舌を出して涙を拭った。
その行動に驚きつつもお礼を言おうとした時、後ろでかさ、と足音が聞こえた。
「…リヴァイさん！？」
振り向くと、当本人であるリヴァイさんが罰が悪そうに立っている。私が彼の存在に気づくとリヴァイさんは舌打ちをしたが、その雰囲気に先程までのピリつきは感じられなかった。
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです！実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました！そちらも読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月14日 19時) (
レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです！ (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 22時
