調査兵団の右翼と左翼＿season2【進撃の巨人】 (ページ24)

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◆ ページ24

(リヴァイside)

目の前では、捕獲作戦に無事成功したハンジがこれでもかというくらいの歓声をあげている。

エルヴィン「…何だ？浮かない顔だが」

リヴァイ「…もう俺がいる必要はねぇよな？班の様子を見てきてもいいか」

胸騒ぎがするのは何故だ。嫌な予感がさっきから、警鐘が鳴り止まないのは、何故だ。

デノン、コット、＿A。
あいつらなら大丈夫だと、信じて送り出した。そのはずなのに今は正反対の感情が埋め尽くしてる。

エルヴィン「あぁ、構わない」

エルヴィンの返事を受けて、嫌な音を立てて加速する心臓の音を抑えながら、巨大樹の入り口へと向かおうと体制を整えた瞬間。

リヴァイ「＿紫の、信煙弾、だと」

”異常事態”を知らせるそれが、丁度あいつらがいる巨大樹の森の入口付近からあがっていた。

リヴァイ「…クソが」

普段なら怒られるくらいの量のガスを噴かして、急いでそこに向かった。

・

デノン「…これで、きっと兵長が気づいてくれる。お前はさっき言った通り逃げろ」

紫の信煙弾を撃ったデノンさんが、自身の刃で無理やり私達を繋げているワイヤーを切った。

デノン「早く、しろ」

「＿＿私が囮になります！デノンさんが走ってください！」

デノン「本当のガキみたいなこと言うんじゃねぇ！＿分かるんだよ、俺には。これでも調査兵としての経験は、周りより長い方だからな。
＿お前は、人類を救える存在になれる。逸材だ。
お前のその冷静な判断力も身のこなしも、兵長に匹敵するくらいのものだ。…俺には、分かる。

…だから今俺がするべきことは、何としてでもお前を救い出すことなんだよ。
”地下街の悪魔”…簡単には死なせねぇよ。俺の父さんを殺した事、無意味にするんじゃねぇ。お前のその培った力で、人類を＿＿救え」

デノンさんはよろめく身体で、無理矢理立ち上がり巨人に向かってせめてもの抵抗として、刃を突きつけた。

コットさんを食べ終えた巨人は、デノンさんを見て目を輝かせる。

「デノンさん…」

デノン「…酷いこと、たくさん言って悪かった。
これから先のことは任せたぞ」

デノンさんは振り返って、私に微笑んだ。
その先で、巨人が蠢く。

デノン「＿＿走れ！！A！」

デノンさんの声に、頭より先に身体が反応した。
よろける足で何度も躓きそうになりながら、走る。

後ろで、骨の砕ける嫌な音が響いた。