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ページ38

『だれだ、きゅうに話しかけてきて。』


フシンシャでも見るような目でおれをじろじろと見てきたソイツ。


「おれ、黒羽快斗!」

『くろばかいと…ん。わかった。わたし、A。駆風A』


"カケカゼ”


あまり聞いたことない名字。どんな字なんだろうか。
めずらしいなと思いながらも、A、と心の中で名前を呼んだ。


だが、すぐになんで話しかけたかをすぐに思い出し、Aにたずねた。




「なあ、さっきのやつ何したんだ?」

『? さっきのって?』

「だから、あのシュッて足やって、ヒュッて袋横にしてやっつけてたろ!」



おれがさっきまで座っていたベンチから飛び降りて、見よう見マネでジェスチャーしみると、『あぁ、抜き胴?』と聞いてきた。



「ヌキドー?」

『おー。剣道の技の一つだよ』

「ああ、剣道ってアレか」



へえ、コイツ剣道なんかやってんのか。女なのに、女っぽくないことしてる。

おれの考えていることが伝わってしまったのか、「女っぽくねーなーとか思ってんでしょ」とジトリと見られた。


「あ、いや…」

『いーよべつに。よくいわれることだし』

「え、いわれんの?」

『めっちゃいわれるよ。「女の子っぽいことしなよ」だの、「かわいくない」とか』



『うっせーって話だわ』とため息をついた。
落ち込まないってスゲーな、女子ならなおさら落ち込んだりしそうなのに。


『それにさ、かっけーじゃん、剣道って』

「え?」

『剣士がずっとむかしからやってて、ずっとつづいてるもんだろ。すげーかっけーじゃん!』


そう言っていたずらに笑ったA。

とくん、と心臓がはねた。


は、なんだこれ。


そう思ったとき、遠くから「あ!Aおった!」と声が聞こえ、足音がこっちに向かってきた。


「A、ここにおったんか!そろそろ行かんと、でんしゃ間にあわへんなるぞ!」


はあはあと肩で息しながらそういってきたのは、おれと変わらないくらいのせたけのやつ。


『え、やっば、もうそんな!?ごめんかいと、行くわ!』

「え、ちょっ」


まだ聞きたいことが、とおれがいう前に、ベンチを飛び降りて走り出してしまった。

すぐに二人を追いかけたが、公園を出たら見失ってしまった。



「…いねえ…」



それから、アイツが来ることはなくなってしまった。

少しでも優位に立つ→←ある少年の記憶



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鍵ホーム(プロフ) - あれ…もしかしてこれ終わりですか…?(泣) (4月20日 15時) (レス) @page40 id: 9881f6affa (このIDを非表示/違反報告)
カルーア - 読んでいる間ずっと笑ってました!更新待ってます、頑張ってください! (2023年5月6日 2時) (レス) @page40 id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - とても面白いお話でした!めちゃめちゃ好きなタイプのものでもう最高です!!!更新頑張ってください、次の更新お待ちしております! (2023年2月1日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - はわわわわわわ…もうほんとにこの作品好きすぎます…更新頑張ってくださいっ! (2022年11月12日 12時) (レス) @page39 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
たいやきくん - ものすごく面白かったです。逆ハーに加え新一と平次そしてキッドまで入っていてもう最高すぎます!! 次の更新楽しみにしています!! (2022年10月15日 4時) (レス) @page38 id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかん狐。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/  
作成日時:2022年4月23日 22時

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