ある少年の記憶 ページ37
キッドの過去とか昔話はマジで知らんので、本編とかであっても時系列無視してくれ。
小学生くらいをイメージしてます
―――
会ったのは、実に、本当に些細な事だった。
「…ん?」
公園で一人、マジックの練習をしていたとき。
少し騒がしい集団がいた。
「おまえんち、親がベッキョしてんだろ」
「おまえが親の仲こわしてんじゃん!やーい、ヤクビョーガミー!」
あきらかにいじめっ子らしき男子数人が、女子一人をかこんでいた。
女子は泣いたりわめいたりもせず、ただ立っていた。
背中に、大きくて細長い、黒いバッグを肩にかけていた。
『おー。だからなんだ。つかわたしの情報よく知ってんなお前ら…』
引いた目で男子達を見上げていて、どうどうとしていた。
(…すげーな、泣いたりもしないでその態度…)
子供ながらきもすわってんのかな、とか思ってた。年がおれと同じぐらいだけど。
「…ッその態度がムカツクんだよ!いつもいつも、ヨユーぶりやがって…!」
『理不尽かよ。』
思わず吹き出しそうになった。
まんざいにも見えたそのこうけい。
だが、気づいたらかこんでいた内の二人が太い棒を振り上げておそいかかっていった。
これは止めないと危ない、と座っていた遊具を降りた瞬間。
その女子が、肩にかけてあったバッグを取り、右足を滑らせるように前にやり(準備運動のアキレス腱伸ばしをもうちょい伸ばした感じ)、バッグを横に持ちかえた。
「…え、」
見事に男子達二人の腹にヒットし、そのまま後ろにコケた男子二人を見て、また別の男子がおそいかかっていったが、スッと避けられて足かけをくらい、ボスみたいなヤツも一瞬でやられた。
見惚れていた。
『まったくさー…竹刀こーいう風に使うなって、ヘージに言われてんだから…』
トントンとバッグで自分の肩にかつぐ形でそう言った後、『んじゃ、そーいうことで』と背を向けて歩き出した。
「なあ!」
気づいたら走って、ソイツに話しかけていた。
『ん?』と振り向いたソイツに、おれは言う。
「お前、名前は!?」
思えば、この時から惹かれていたのかもしれない。
1534人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鍵ホーム(プロフ) - あれ…もしかしてこれ終わりですか…?(泣) (4月20日 15時) (レス) @page40 id: 9881f6affa (このIDを非表示/違反報告)
カルーア - 読んでいる間ずっと笑ってました!更新待ってます、頑張ってください! (2023年5月6日 2時) (レス) @page40 id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - とても面白いお話でした!めちゃめちゃ好きなタイプのものでもう最高です!!!更新頑張ってください、次の更新お待ちしております! (2023年2月1日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - はわわわわわわ…もうほんとにこの作品好きすぎます…更新頑張ってくださいっ! (2022年11月12日 12時) (レス) @page39 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
たいやきくん - ものすごく面白かったです。逆ハーに加え新一と平次そしてキッドまで入っていてもう最高すぎます!! 次の更新楽しみにしています!! (2022年10月15日 4時) (レス) @page38 id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん狐。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/
作成日時:2022年4月23日 22時