◆ ページ36
『え…』
「あー…くそ…カッコ悪いとこ見られた」
シルクハットをグッと下げてそっぽ向いたキッド。
…めっちゃめっちゃに怒っとる。
『え…いや…え…』
工藤と間違えられんのどんだけ嫌だったんだ。アイツどんだけ嫌われてんだ。
『えー…何かすんません。大事なとこ申し訳ねーけど…覚えてない…』
ピシィッと固まったキッド。
「…ま、そうだろうとは思ってたけど…」と呟いたのが聞こえた。
悪かったな記憶力悪くて!!推し関連は覚えれるけど苦手なんだよ人のこと覚えんの!!
「…じゃ、夜景でも見ながら思い出話でもするか。」
『いや、私夜景は推しと二人きりでえ゛ッ!?』
ひょいと持ち上げられた私の身体。
ヒュッと喉奥から声ともいえない掠れた音が。
『ちょ待て、本当に私重いから!!マジであの、しかも姫抱きとか公開処刑も良いところすぎて…あ゛ーーねえマジでホントに親に迷惑かけんなって言われヒィッ』
スタスタとベランダにでて網戸を閉めた後、軽々と柵にスタンッと乗ったキッド。
…え、何これ走馬灯見えそう。
「姫、しっかり掴まっていてくださいね。」
『言われなくてもそうするに決まってんだろ!!つか早く降ろっ――』
身体が、内臓が、体内にある全てが、ふわっと浮いた。
簡単に言えば、遊園地とかにある、上まで上がってブレーキを外したように落っこちてくあのアトラクションみたいな。
「…Aさん?」
『…』
「…あれ、生きてますよね?」
『…生きてる喜び噛み締めた…っ』
キッドお前ふざけんじゃねえ。
パラグライダー開いたからって安心できるか。恐いわ。
「…昔と同じ。」
『…あ゛?』
「…いえ。何でも無いです。」
1533人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鍵ホーム(プロフ) - あれ…もしかしてこれ終わりですか…?(泣) (4月20日 15時) (レス) @page40 id: 9881f6affa (このIDを非表示/違反報告)
カルーア - 読んでいる間ずっと笑ってました!更新待ってます、頑張ってください! (2023年5月6日 2時) (レス) @page40 id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - とても面白いお話でした!めちゃめちゃ好きなタイプのものでもう最高です!!!更新頑張ってください、次の更新お待ちしております! (2023年2月1日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - はわわわわわわ…もうほんとにこの作品好きすぎます…更新頑張ってくださいっ! (2022年11月12日 12時) (レス) @page39 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
たいやきくん - ものすごく面白かったです。逆ハーに加え新一と平次そしてキッドまで入っていてもう最高すぎます!! 次の更新楽しみにしています!! (2022年10月15日 4時) (レス) @page38 id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん狐。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/
作成日時:2022年4月23日 22時