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『ハイもしもしコナンく』
「Aねえちゃん!?今キッドが大阪にいるらしいから今すぐにドアの戸締まりとチェーンロック、窓の鍵を全部しっかりと締めたあとにカーテンを閉めて部屋の中が見えないようにして!!」
『ちょっと待って情報が多い』
なんかどっかで見たぞ、セルフ無量◯処。
これが俗に言うセルフ無量◯処なのか。
「キッドにまた狙われたらどうするの!?ほら早く!!」
…今ほぼ隣にいるなんて言えねえよ。
もう召されるんじゃねえかってくらい優しい笑顔になってきたよ。
目から涙が溢れてきそうなくらい情緒がおかしいよ。
『…あのとてもとても言いにくいことなんだけど』
「プリンセスは私が保護いたしましたのでご安心ください」
『は?』
え、ちょ、私の愛するスマホ。5Gの新しい最新作のスマホ。
金必死こいて働いて稼いで買った宝。家宝。心の友。ヲタクの永遠の味方。
絶望に染まってく顔。そして離れてても聞こえた《は!?》という音割れレベルの声。
キッドがうるさそうに耳から離してた。オマエそんな顔出来るんだな…
「キッドてめっ…!!手出したら許さねえからな!!」
「それは保証出来ねえなぁ、こっちにも色々あるものでね、名探偵」
えっコナン君どうしたのそんな大声出して。
推しに投げかけるガチ恋口上の声量じゃん。
つか手出すって何。私暴力振られんの?嫌なんだけど。
キッドの口調が敬語じゃねえのも気になってしまうが…
「Aねえちゃん、絶対キッドに近づいちゃ駄目だから!!」
「酷え言い様。ま、手を出す事はねえよ。」
そう言ってふふんと笑うと、コナン君がなにかを言おうとしたのを防いで電話を切った。
ピッと音が聞こえ、部屋が静まる。
と、思いきや、遠くからサイレンが聞こえてきた。…このホテルに向かっているのが目に見える。
「…思い出話すらさせてくれねえのかよ、ったく…」
と言い放つと、私の方に向き直った。
思わず身構えると、フッと口角を上げる。
そして、スタスタと歩み寄ると、私の目の前で手首をくるりと回す。
ポンッと、どこから出たのか、花が出てきた。
『…コチョウラン??』
何故?となっている私の前で、キッドはそれをスッと差し出し、受け取るよう促した。
渋々それを受け取ると、キッドはベランダへと歩いていき、やはて手すりに飛び乗った。
マントがなびき、銀朱の月を背後に、キッドは振り返った。
「ではプリンセス、また月の輝く夜に会いましょう。」
正直会いたくねえ。
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鍵ホーム(プロフ) - あれ…もしかしてこれ終わりですか…?(泣) (4月20日 15時) (レス) @page40 id: 9881f6affa (このIDを非表示/違反報告)
カルーア - 読んでいる間ずっと笑ってました!更新待ってます、頑張ってください! (2023年5月6日 2時) (レス) @page40 id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - とても面白いお話でした!めちゃめちゃ好きなタイプのものでもう最高です!!!更新頑張ってください、次の更新お待ちしております! (2023年2月1日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - はわわわわわわ…もうほんとにこの作品好きすぎます…更新頑張ってくださいっ! (2022年11月12日 12時) (レス) @page39 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
たいやきくん - ものすごく面白かったです。逆ハーに加え新一と平次そしてキッドまで入っていてもう最高すぎます!! 次の更新楽しみにしています!! (2022年10月15日 4時) (レス) @page38 id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん狐。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/
作成日時:2022年4月23日 22時