どこぞの怪盗、毎晩来るけどなんなんですか？

聞きたかったら盗聴すればいい。 ページ19

「へえ…大阪に合宿、ねぇ…」



フッと思わず笑いが溢れる。


アイツの手を掴んだとき、こっそり盗聴器つけてて良かった。


つーかあの名探偵、どっかの探偵に嫉妬して電話してんのか。
可愛いところあんじゃねえか、名探偵。


ま、ちょうどよく情報は入った。
少しは感謝しておかねえとな。



「ジイちゃん、俺明日大阪行ってくるわ」

「！？ ぼっちゃま、急になにを…？」

「Aが大阪に合宿行くらしいんだよ、会いにいくっきゃねえだろ」

「ですが、学校が…」



「風邪って言っとけ。」



笑って言えば、ジイちゃんは「…了解致しました」と言って頭を下げ、部屋の奥に去っていった。

青子にも一応言っとくか…？

…いいや、やめとこう。グチグチ言われんのがオチだし。



《んじゃ、またな工藤。コナン君にはゴメンって謝っといて！》



そう言う声が聞こえ、すぐに《オマエが自分で謝れよ、俺は忙しいんだ。》と笑う声が聞こえる。

チッ…イチャつきやがって。
調子に乗ってんじゃねえぞ名探偵。


しばらく二人の雑談が続き、やがて電話が切れた。




「…すぐにその立場から降ろしてやるよ、名探偵。」



Aの隣は、俺一人で十分だからな。


盗聴を終了し、立ち上がる。



「よし、んじゃ、準備始めっか…」














彼が部屋を去ったと同時に、机の上に置かれた本が風にめくられる。


パラパラとめくられていき、やがて止まると、そこに一枚の写真が貼られていた。



年端のいかない小学生ほどの少年少女二人が、並んで写っている写真。


Someday we will be lovers!



写真の真ん中に、そう書いてあった。

再会とは感動ばかりでは無い。→←◇

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