43 茨。 ページ43
side:狗巻
…
「あ、もうこんな時間……楽しい時間が過ぎるのはあっという間〜とか言うけど、ホントなんだねぇ」
可愛らしいパステルカラーの目覚まし時計を見ながらふと寂しそうにそんな声を零す。
「狗巻くん、もう遅いから気をつけて帰ってね。途中まで送るよ」
「おかか」
間髪入れずに必要ないと首を振る。
まだ万全じゃない女の子に見送ってもらうだなんてとんでもない。
「そ、そっか。ごめんね」
へらりと笑う彼女は、今日の楽しいと笑った顔とは違う
「お、おかか、ツナマヨ」
違うんだ、楽しかったよと伝えたくてジェスチャーで伝えようとすると、彼女は驚いたようだったけどホッと安心したように笑った。
「そっか、楽しんでくれたみたいで良かった」
それでも遊んでいた最中の笑顔は見れなくて、もどかしい気持ちになる。
「ツナマヨ」
また遊ぼうねと言っても、嬉しそうな表情はするけど。どうして?
──なぁ棘。アイツはさ
窓の外を眺めながら真希がいつか言っていた言葉を思い出す。アイツとはもちろん、目の前の彼女のことで。
あれは多分──雨がよく降っていたから、6月の中旬やそこらだと思う
彼女は1週間ほど遅れて入学してきた。理由は知らないけれど、あの怯え具合をみて何かあったんだろうと3人とも察していた。
『似てるんだよ、私の妹と。寂しんぼで怖がりでさ。アイツもそういう所あるけど、それより』
──『寂しい』って言えねぇんだと思うんだよな
167人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時