13 任務。2 ページ13
…
「……おいで──
ザラリと砂の混じった風が吹いて、私の術式は変化する。
木が沢山ある場所なら比較的出しやすい術式、魑魅。
木の瘴気から生み出される生き物とされているものだ。
山の怪物と恐れられるその姿は大きな狼に変化している。
呪霊に向かって力強く土を蹴り、すぐに祓ってしまう。森や林、学校の裏など木が生い茂っていれば比較的安定して出せる上に、呪力もそんなにかからず祓えるので、当面の間はこの子で行こうと決めていた。
「上出来です。行きましょう」
「はい」
「なんだか多くないですか?」
キョロキョロと辺りを見回す。
「ええ。ここは病院ですから」
カツカツ、と階段を登る音が響く。帳が降りているのもあって暗くてちょっとだけ怖い。 だけど、もう初任務でも無いんだから、怖がっちゃダメだ。
むんっと顔を上げて鼓舞する。大丈夫!七海さんだって居るし!
「……小鳥遊さん。あなたは探知系の術式を使えますか」
「探知系の、術式」
「そうです。呪霊を探したりする番犬のような」
「ああ、生き物……ではないけど、やろうと思えばそれっぽくなるものはあると思います」
その術式を思い返してみる。確かにできるが、呪力消費もコントロールも難しくてまだまだ苦手だ。
「試してみましょう。今それを使えますか」
七海さんは淡々とそう言う。「やってみます」とだけ返して、使えるとは言わなかった。
「
建物の外から木が突き刺してくる。自分の構えている手からも枝が伸びている。これが句句廼馳。
木の神と呼ばれるそれの力を借りて、呪力の源を探ったり、先を見据えたりする。
もっともっと上達すれば、戦闘中の足場としても使えるから、後援にもってこいの術式なのだと、五条先生が教えてくれた。
「ほとんどやってくれたみたいです……上の方にまだ2、3体います」
恐らく壁から突き刺した時に半数は祓ったのだろう。あとは追いかけ回している枝が何本かあったから、そちらは任せられる。
「分かりました」
七海さんは武器の状態を確認すると、「助かります。術式は解いて結構ですよ」と告げた。
こっちは結構疲れるので、句句廼馳が祓いきったタイミングでさっさと解いてしまう。耐久時間も訓練の項目に追加だな。
「さて、上にいるのはそこそこ力がありそうです。2人でわかれて祓いましょう」
「はい」
屋上の手前のドアを引いて、大広間に出る。「いた、魑魅」
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時