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シ「なかなか止まねぇなぁ。」
『うーん、スコールなら一瞬で止んでも良さそうだけど、雲真っ黒だもんね。』
なかなか止まない雨で動けずにいると、突然あたりが真っ白に光った、とすぐに雷鳴が聞こえてきた。
ーピカッ……ドーーンッ!!
『きゃっ!』
Aを見ると、泣きながら震えている。
シ「A!大丈夫か!?」
『だっ……だいじょう
ーピカッ……ドーーンッ!!!
さっきよりも近くで落ちた音がした。
俺は無意識にAを抱きしめていた。安心させてやりたくて腕に力をこめた。
シ「すぐに鳴り止むから!俺がこうしててやるから怖くねぇっ!」
しばらくそうしていると、雨は次第に止み、空は元の青空に戻っていった。
シ「A?もう大丈夫だから。」
『ほんとに?』
腕の中で震えているAは、潤んだ目で見上げてくる。支える肩は細く頼りなく、濡れた髪が首に張り付いている。その煽情的な姿に俺は理性を抑えることができず、乱暴にAの唇を奪った。
『んっ、ゃっ…、シルッ……、っんん…』
Aの鼻から息の抜けるくぐもった声に、俺は抵抗されるがキスをやめることができない。
シ「なぁ!何で俺じゃなくてマサイなんだよ!」
一瞬の隙をついて、Aは俺の腕の中から抜け出した。
『なんで彼女がいるのにこんなことするのっ?』
シ「俺はお前のことが、好きなんだ!」
『私にはマサイくんがいるのに。……、っ………』
彼女は泣きだしてしまった。いや、俺が泣かせたんだ。
シ「A、ごめん。無理やりキスしたことは謝る。でも本当に俺はAのことが好きなんだ!キョウコとはもっと前に別れる予定でいたのに、修学旅行が終わるまでは待ってほしいって言われた。だから……
『わかった。でもそんなすぐには許せない。』
シ「本当にごめんな。」
Aは泣きながら元来た道へと帰っていった。俺はンダホに電話した。
〜〜♪♪〜〜
ン「シルク?どしたの?お店見つかった?」
シ「わりぃ、今Aが一人でそっち向かってっから迎えに行ってくれるか?」
ン「え?Aちゃん一人?シルクは?」
シ「俺ちょっと一人で寄りたいとこあるから集合場所直接いくから。Aのことよろしく。」
ン「ちょ、シルク!?」
俺なんてことしちまったんだ。後悔しても………もう遅いな。
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作者名:milkcrown | 作成日時:2018年12月18日 15時