#マンドリカルド 狂乱 ページ46
『ねぇヘクトール!マンドリカルド知らない?』
私がそう尋ねると、ヘクトールは「知らねぇなぁ。あぁ、もしかしたらシミュレーターで訓練をしているかもしれないね。」と言ってくれた。
私は彼に感謝を伝え、「頑張れよ嬢ちゃん。」というなんともおじさんらしい言葉を最後にヘクトールとは別れた。
『ドクター、マンドリカルド知らなi…』
「あぁ、彼ならここに。」
私が言い終わる前に察したドクターは、コンコンと画面を指さした。あぁ、やっぱり訓練をしていたのか。とヘクトールの想像通りでマンドリカルドに伝えたら歓喜で踊ってしまうかもしれないと一人でニヤニヤする。
『私、マンドリカルドと話がしたいからそこにお願いします。』
ドクターは二つ返事で、私をマンドリカルドの元へ転送してくれた。
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私が降り立つと、至って普通な森の中だった。
少し木々の中を突き進むと何やらひたすらに数を数えている声が。これはきっとマンドリカルドの声だと分かると、自然と足の歩くスピードが早くなった。
マンドリカルドとの距離は約10mに達したところで、私は足を止める。マスターという立場の私と関わっていない時の彼はどんな顔をしてどんな独り言を呟いているのか、すこし気になったからだった。悪い気もしてしまうけれど。
「…987、988、989、」
これはきっと、もしかしてマンドリカルドはあの木刀らしき物を1000回振るつもりなのかな。
彼の頬には汗が滲み、これまでの努力が窺えた。人前ではあまり努力を見せるタイプではなく陰で努力するタイプなのでこういう機会は滅多にない。
『…ふふっ。』
優越感に浸っているとつい笑い声が出てしまった。すると、マンドリカルドは振るっていた手を止め、周りをキョロキョロと見回している。
「もしかして、マスターが居るっすか。」
盗み聞きをしていた罪悪感もあってか、彼に謝罪の気持ちも伝えるべく、少し近づいてから『ごめんね。』と苦笑を浮かべた。
「どうしたっすか。俺の所なんかに…。」
『んーと、何となくお話がしたくて。ダメ、かな?』
私がそう言うと、マンドリカルドは困った笑みを浮かべながら「そんなことはないっすよ。」と返してくれた。
「…じゃあ、俺の独り言。聞いてくれないっすか。」
珍しい彼からの発言に、嬉しくなりながらも『うん。』と冷静を保って返事をした。
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にょると(プロフ) - 愛里さん» こちらこそリクエストありがとうございました!!またありましたら宜しくお願いします。 (2020年2月26日 23時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
愛里(プロフ) - にょるとさん» 孔明先生かっこいいです。ありがとうございました! (2020年2月26日 20時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
にょると(プロフ) - えのぐさん» コメントありがとうございます!サーヴァントの表記直したつもりでしたがまた見直してみます!ありがとうございます。アンコールですか了解しました!!ドロ甘で書きますね(握手) (2020年2月16日 2時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - それと、リクエストです!初期鯖ですこすこな始皇帝と言いたいところなんですけど多分(きっと)(おそらく)難しいと思うのでアスクレピオス先生アンコールってできるでしょうか…このコメント見れててなおかつ小説を綴る活力があればお願いします!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - 初めまして!!アスクレピオス先生100Lv勢なので(そういうことです)超ヒョッ…(尊死)ってなりました。あと細かいと思うんですけどサーバントではなくサーヴァントだったはず…です。間違ってたらすいません!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にょると | 作成日時:2019年8月2日 22時