検索窓
今日:26 hit、昨日:7 hit、合計:93,839 hit

#カルナ 楽園 ページ42

「どうした、何かおかしい事でもあったのか。」


カルナは私の笑い声を聞いて、少し安心した声音で質問した。
多分、最初出会った頃はカルナの感情なんて分からなかった。喜びも、悲しみも、苦しみも、楽しみも、彼からの言葉には何かが足りないように感じていた。


でも今なら表情を見なくたって、彼の感情は手に取るようにわかる。それだけ沢山過ごしてきたし、沢山彼のことを考えた証拠でもあった。


『なんでもない。ただカルナと私は想いあってるなぁって思って。』


「当然だ。オレはマスターが居なければ此処には居ない。想い合うのも必然だ。」


彼の言葉は時に棘を感じたり、時に暖かみを感じたり不思議な力がある。
でも、絶対私を想って言ってくれている言葉だとわかっている今、全ての言葉を心に留めておいている。


彼は私の頭を撫でている手を止め するする、と滑らせて私の手を握った。


『暖かいな、カルナの手。』


「オレの手はAにだけ暖かい。」


突然の名前呼びに『えっ…。』と身体を反応させてしまう。
すると、彼は「欲は少ない方だとは思っているが、な。」とまるで独り言のように言葉を零した。


「……支配欲は強いのかもしれない。そんなオレを拒まないでくれるか。」


『もちろん。』


少しの会話と少しの身体的接触は、私の精神には心地よいものだった。


__「マスターのバイタルが安定してきた。カルナくん御苦労。後は大丈夫だ。」


マイルーム専用の放送で事を全て察した。
差し金はダ・ヴィンチちゃんだな。

そうは思っても、やはり感謝はしたい。
私の背中を向けても何も言わない彼とはやはり気が合うように思う。

『ありがとうカルナ。もう大丈夫だよ!』

元気良く、彼の方を向いて言うと少し口角を上げてふわっと笑う。
この笑顔は二人きりの時しか見れないレアで、私だけのものだった。


「あぁ、ちゃんと休むんだぞ。……何かあったら呼んでくれ。」


そう言って、繋いでいた手を離しスタっと立って霊体化してしまった。
彼には感謝しきれないなぁ。


『……ふふっ。』

繋いでいた手にはまだ彼の熱が残っていて、頬に付けて出来るだけ味わっていたかった。
その熱で、静かに目を閉じていった。


- - - -


「………」

先程まで繋いでいた手を見つめ、自身の心臓があるであろう部分にゆっくりと合わせた。


- - - - - - - -
この物語、ある曲を元に作りました。
BTS pied piper
興味のある方はぜひ!夢女子は絶対好きな歌詞です

#諸葛孔明 胡乱 リクエスト→←#カルナ 楽園



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
設定タグ:FGO , 短編集 , Fate/GrandOrder   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にょると(プロフ) - 愛里さん» こちらこそリクエストありがとうございました!!またありましたら宜しくお願いします。 (2020年2月26日 23時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
愛里(プロフ) - にょるとさん» 孔明先生かっこいいです。ありがとうございました! (2020年2月26日 20時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
にょると(プロフ) - えのぐさん» コメントありがとうございます!サーヴァントの表記直したつもりでしたがまた見直してみます!ありがとうございます。アンコールですか了解しました!!ドロ甘で書きますね(握手) (2020年2月16日 2時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - それと、リクエストです!初期鯖ですこすこな始皇帝と言いたいところなんですけど多分(きっと)(おそらく)難しいと思うのでアスクレピオス先生アンコールってできるでしょうか…このコメント見れててなおかつ小説を綴る活力があればお願いします!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - 初めまして!!アスクレピオス先生100Lv勢なので(そういうことです)超ヒョッ…(尊死)ってなりました。あと細かいと思うんですけどサーバントではなくサーヴァントだったはず…です。間違ってたらすいません!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にょると | 作成日時:2019年8月2日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。