♯ダビデ 芳気 ページ5
『ダビデ〜、今日も疲れたよ』
マイルームに戻るとダビデが当然のように居る。彼を今日夜に誘ったのは私だが、やっぱり部屋の主より先に居るのはダビデらしいとも思う。
「やあ、マスター。随分お疲れだね。肩揉みでもしてあげようか」
彼の落ち着いた声と綺麗なエメラルドグリーンの髪色が五感…といっても聴覚と視覚だけど優しい、癒されると思う。
さすが生前あんなに妻をもっただけある。
彼、ダビデの声に誘われソファに腰かけた。
これで一日の疲れが取れる。
『ダビデは今日何やってたの?』
私がそう聞くと、ダビデは少し考える素振りを見せ「君のこと」と言った。
『えっ、私のこと?』
不思議だった。ダビデはあまり深く人のことを考えない人だと思っていたから。
「うん、そう。君のこと。“マスター”のことではなくてね」
照れているのか、気を遣っているのか、ダビデは苦笑して言った。
私はどう反応していいか分からず『そうなんだ』と他人事のように返した。
「どうしてそんなこと、って顔してるね。答えは簡単。最近僕に頼ってきてくれるだろう?特にマスターが疲れている時だ」
言い当てられてしまった。マスターの命には逆らえないことをいいようにダビデを呼び出して二人で話す機会を勝手に作っているのは私。ダビデの立場から考えれば至極当然の反応だった。
『な、なんかごめんね。迷惑だったかな?私、ダビデといると落ち着けてさ…』
言葉にすると自分勝手なことが明確になる。申し訳ない気持ちが増し、咄嗟に俯いてしまう。
「ふふ、そんなことはないよ。僕はお金と女が好きと言ったろう?君も女じゃないか」
『うん、そうだけど…』
言葉に詰まってしまう。ダビデはそれを察したかのように話し始めた。
「君のこと考えていくうちにね、懐かしい気持ちになって。何だかわかるかな?」
そう言いながらダビデの右手がするすると私の太腿から乗せられている手まで上がってきて私の手を掬った。
ダビデからこんなことされるのは初めてで急に心臓が過剰に動き始める。
『えぇっと、な、なに?どうしたのいきなりっ』
身体の全身が熱くなってダビデにも伝わってしまうんじゃないか、と不安になるほどに。
「分からない?今のAと同じだよ。どうしてだろうね、同じ空間にいるだけなのに身体も心も熱くなって__目の前の人ことしか考えられなくなるんだ」
110人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にょると(プロフ) - 愛里さん» こちらこそリクエストありがとうございました!!またありましたら宜しくお願いします。 (2020年2月26日 23時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
愛里(プロフ) - にょるとさん» 孔明先生かっこいいです。ありがとうございました! (2020年2月26日 20時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
にょると(プロフ) - えのぐさん» コメントありがとうございます!サーヴァントの表記直したつもりでしたがまた見直してみます!ありがとうございます。アンコールですか了解しました!!ドロ甘で書きますね(握手) (2020年2月16日 2時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - それと、リクエストです!初期鯖ですこすこな始皇帝と言いたいところなんですけど多分(きっと)(おそらく)難しいと思うのでアスクレピオス先生アンコールってできるでしょうか…このコメント見れててなおかつ小説を綴る活力があればお願いします!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - 初めまして!!アスクレピオス先生100Lv勢なので(そういうことです)超ヒョッ…(尊死)ってなりました。あと細かいと思うんですけどサーバントではなくサーヴァントだったはず…です。間違ってたらすいません!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にょると | 作成日時:2019年8月2日 22時