【FGO】抗えない誘惑【短編集】

#燕青 花唇 ページ40

『燕青は愛情を知らないの？』


｢……っ。｣


ばっ、と勢い良く私の方を向く。
その瞳にはこの地面の乾きを潤すような綺麗な涙が溜まっている。
苦しそうに眉間に皺を寄せながら、なにかを我慢しているかのようにふるふる、と震える身体。


正直、綺麗だった。
周りの景観が彼を引き立てるように描かれているかのようだった。

大地が、小さな花が、草が、風が、空が__

彼と私には次元の壁がある事を知った。
思い知らされた。



｢…A。ある書物で読んだんだが、＜人間が一番愛情を感じる場所＞何処だか分かるか？｣


未だに彼の姿に目を奪われている私に更なる爆弾を投げる。
頭は追いついていない、〈言語理解、分析して〉と心が訴えているが脳に伝達がいかない。

それを察した彼はにやり、とひと笑い。
私が＜燕青＞という存在に吸い込まれるのではないのかという錯覚さえ覚えてしまう。


口元に触れる



｢唇、らしいねぇ。マスター？｣



ぺろっ、と舌を出して小悪魔のように笑う。
彼の瞳には愛情が注がれ、溢れたかのように一筋の涙がぽろり、と絹のような頬を伝った。





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日に日に、お気に入りして下さる方が沢山いることに驚きを隠せないにょると(燕青さん未所持)です。

孔明さんリクエスト頂きました。色々調べてから書かせて頂きますね！ありがとうございます♪
燕青さんを色々調べたら、愛情というものを向けられていない(多少はあったかも)のに彼は他者に向けられる存在なんですよね。何故でしょう。

｢寝ろ寝ろ♡｣って言われたい。

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