#キャスギル 炯眼 リクエスト ページ24
『は、はひ…。』
思わず答えてしまった…。な、名前を呼ばれた今?確かにAって聞こえた。普段私を呼ぶ時は雑種。それ以外で呼ばれたのは今が初めてで身震いしてしまう。
王様の気配に意識が全集中してしまう。耳に掛かる息、香り、体温、声___すべてが私を溶かしていく。さっきまでの焦りはなく、体温が上昇していく身体に対応しきれなくひっきりなしに出る汗が背中に伝ったのを感じて私は慌てて身体に力を入れてしまった。
あっやばい…。と本能的に悟った私は寝たフリをする事にした。全身の力を抜き、自然に…
「A…我を、起こすとは……分かっているな?」
普段よりも数十倍甘い王様の声が耳を掠めた。反射的に身体を反応させてしまう私にはもうこの鎖から抜け出せる術はなかった。
『すみません…で、でも王様は何故ここに?』
千里眼の持ち主である王様に歯向かっても敗北は確定しているため、諦めて理由を尋ねると「愚問だな。」と零した。
『うっ…』
「雑種よ、貴様が我を呼んだのだ。“一緒に寝て欲しい”と誘い言葉を付けてな。」
王様の言葉を聞いて、目を見開く。まさか、自分が…?と思って寝る前のことを思い返すがそんな事を言った記憶はなかった。王様にだって言ってない。
私が考えていることを手に取るように分かる王様は、小さくくつくつと笑い「あぁ、本当に愛らしい奴だな」と声色明るく言った。
「実際には、未来に、だが。我と一夜過ごせたんだ。感謝するがいい。」
『その言い回しは不謹慎だと思うけど…。』
何時もより甘い香りを纏っている王様に戸惑いが隠せない。もっと勢いある王様を普段目にしているためこの雰囲気には中々慣れなかった。
「随分と愛らしいな、我の所有物は。そんなに我を揺さぶってどうしたいんだ?」
王様は今の私とは話していない様子だった。というか、そんなに千里眼で未来のこと話して大丈夫なのか、ダダ漏れの王様なんて初めて見た…。
しかし同時に、王様に“今の私”を相手して欲しいという感情が芽生える。こんな感情を知らない私にはどう対処していいか、分からなかった。
どうにか振り向いてもらおうと、まだ私を縛る腕に自らの手を重ねた。一国を治めた王様の腕は逞しかったが、弱々しくも感じた。
『今の私じゃ、だめ?』
未来を見ている王様には、もしかしたら今は映らないかもしれない。不安な私は思いきって尋ねる。
「…あぁ、本当に愛おしいやつだ。Aと一夜を明かすのも悪くない。」
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にょると(プロフ) - 愛里さん» こちらこそリクエストありがとうございました!!またありましたら宜しくお願いします。 (2020年2月26日 23時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
愛里(プロフ) - にょるとさん» 孔明先生かっこいいです。ありがとうございました! (2020年2月26日 20時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
にょると(プロフ) - えのぐさん» コメントありがとうございます!サーヴァントの表記直したつもりでしたがまた見直してみます!ありがとうございます。アンコールですか了解しました!!ドロ甘で書きますね(握手) (2020年2月16日 2時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - それと、リクエストです!初期鯖ですこすこな始皇帝と言いたいところなんですけど多分(きっと)(おそらく)難しいと思うのでアスクレピオス先生アンコールってできるでしょうか…このコメント見れててなおかつ小説を綴る活力があればお願いします!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - 初めまして!!アスクレピオス先生100Lv勢なので(そういうことです)超ヒョッ…(尊死)ってなりました。あと細かいと思うんですけどサーバントではなくサーヴァントだったはず…です。間違ってたらすいません!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にょると | 作成日時:2019年8月2日 22時