こうして少女は夢を見るか(1) ページ28
「さぁて、今日はまた『散歩』をしよう！」
翌日、昨日の宣言通りAは僕を連れ出した。
廊下へ出ると、今日は内側の壁が開いていた。
異型な子供たちがぬいぐるみで遊んでいる空間で、何人かの研究員が見つめている。
「実験の1つさ、これも」
Aは視線を前に向けたまま歩く。僕もそれに続いた。
「さぁ、どうぞ」
ある部屋に通されドアをくぐると、そこは図書室だった。
「ここにはカメラはない。
死角が多すぎて、逆にカメラをつけるのが面倒だからね。
安心して？この時間帯は訪れる研究員も少ないから」
何列もの本棚。
見たことの無い言語で書かれているものや、かなり巨大な本がいくつも並んでいた。
「お待たせ、ヴィンセント」
一番奥の本棚の間でルービックキューブを回す1人の男。
僕より背が大きくて、大人に近い。頭には傷があった。
「その子がか？A」
「そうさ。君の『同士』だ。
紹介しよう、ノーマンだ」
ヴィンセントがまた1つルービックキューブを回した。
それは僕が手に持っているものと同じものであり、1度壊したであろう傷がいくつかついていた。
「ヴィンセントは最近私の担当になった子なんだ。もちろん、計画は知ってる」
「君がノーマンか。
ヴィンセントだ。よろしく」
「よろしく」
差し出された手を握り返すと、少し冷たかった。
「さて、仲間が揃ったところで話をしようか！」
Aが椅子に座ると、隣に促され僕も座る。
ヴィンセントは既に、ルービックキューブを完成させていた。
「まずは日時。これはこっちから指定させてもらうよ」
Aがバインダーを机の上に置く。
1番上の資料には、僕の写真が載っていた。
「君の実験が決まった。
ノーマン、最短で2週間後だ」
ドクンと心臓がなる。
僕にメスが入る日が、来るんだ。
「そうか......ついに、僕か」
「内容は、『頭脳のコピー』。
ピーター・ラートリーは鬼により良い食用児を提供しようとするために私達に実験をさせている」
「それが、『フルスコアのクローンを作ること』ってことか？」
「そう。
そのためにわざわざ、出荷を辞めてまで君をここに送り込んだんだ、ノーマン」
狙いは僕のこの頭......。
より良い食用児......つまり、脳の美味い食用児。
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MiUmIu(プロフ) - みしょやす。さん» コメントありがとうございます！『皆様が驚くようなラストを』と思っていたので、そう思えて頂けて光栄です！もし次作が出来上がりましたら、そちらもよろしくお願いします！ご愛読ありがとうございました！ (2019年6月29日 13時) (
レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
みしょやす。(プロフ) - はじめまして！ 完結おめでとうございます、最後はああやって終わるのか…と朝から衝撃にあいました笑笑 毎回毎回楽しみにしていたのでそれが終わっちゃったのは寂しいですが、ズルズルやることなくスパッとしていていいなとも思いました！（何様だ）本当にお疲れ様です (2019年6月29日 8時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - uaさん» コメントありがとうございます！ワンダーランドから読まれているのですね！？本当にありがとうございます！！すごく嬉しいです！次回作もぜひよろしくお願いします！ (2019年6月28日 22時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
ua(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れます！ワンダーランドからMiUmIuさんの作品を読ませていただきだいてます。主人公の設定とかストーリーが好きすぎてどうしようもないです笑新作が出来たらまた読ませていただきます！本当にお疲れ様でした！ (2019年6月28日 20時) (レス) id: bfc46cf277 (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - rin:)さん» わぁー！コメントありがとうございます！有難いお言葉.......光栄です！！ (2019年6月24日 19時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2019年6月7日 6時
