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章ちゃんに腕枕をされながら
アパートの更新の話をされて
そういえば少しだけ職場に近いところで、
駐車場代が安いところを探していたのを
思い出した
章ちゃんがうちに来てから
なんだかバタバタして
そんなことすっかり忘れていた
「…提案が」
安「何ぃ」
「この奇妙な居候生活と同じように
家事は私がするので」
安「ほな決まり〜」
「…まだ何も言ってへんけど」
安「そこまでいえばもうわかるて(笑)」
「私の部屋ある?」
安「あるで」
「ベッド、これ持ってっていい?」
安「お好きにどうぞ?」
「…あくまでも、仕事のためであって
一緒に住みたいとかではないので」
安「ほらまた標準語&敬語」
「別にええやん」
安「ほな、そういうことで」
「…なんか悔しい」
安「俺は嬉しいけどなぁ〜」
章ちゃんが
20年前のことをどれだけ覚えてるかはわからない
大人になってからこの話はしたことがない
底なしに優しいのは
昔から変わらない
きっとそれに助けられた人は私だけやないと思う
いつか、ちゃんと伝えよう
と、思って、20年が過ぎた
そして、この様である
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作者名:みくや | 作成日時:2024年3月24日 22時