30 ページ30
*
「大丈夫よ、そんなに心配せんでも(笑)」
安「おん、じゃ待ってるわぁ」
…何を心配してるんだか
大の大人5人がうちにいるのに
ましてや自分の家に帰らないわけがないのに
ハンドルを握る自分の手
少しずつ手汗をかいていってるのがわかる
右手につけた腕時計は、22時35分を回っていた
公園に着いたら、
ブランコのすぐ前にある、
背の低い柵に、
渋谷さんらしい人影があった
「…お待たせ」
渋「おう」
「車、路肩に止めちゃったから、
ドライブでもええ?」
渋「ん」
助手席に座った彼は
いつもの癖で、窓を開け、
ドアの鍵をかけた
変わんないな、そういうところ
「この前は電話ごめん」
すぐに走りだそうか
少し停めたまま話すのがいいか
考えて、
ハザードランプをつけっぱなしにした
「ごめんも何も、あれヤスやろ?」
「まぁそうなんやけど(笑)」
「元気にしとった?」
「…元気、安田さんと仲良く暮らしてる」
「はは(笑)それはよかった」
「…喋りたいことあったん?私に」
会ってまで
何をしたいん?
69人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みくや | 作成日時:2024年3月24日 22時