26 ページ26
*
*
「安田さん、起きt…おはよう」
「はよぉ」
珍しく寝室で朝まで寝てるなと思ったら
きちんと自分で起き上がっていた
小さな音で、ギターを弾いていた
「珍しない?私が起こしに行く前に起きてるの」
「なんや目ぇ覚めてもうた」
「もう、安田さんが来てから、2ヶ月経つんだね」
寝室を背に、話しながら二人でリビングに向かう
「あ、そうやぁ
おれもうすぐここ出るわ」
…寝耳に水とはこのことで
一気に目が冴えた
…あ、そっか
この同居も終わりがあったんや
なんか、
あまりにも当たり前すぎる
景色になっていた
朝起きて、安田さんを起こすのも
ご飯を二人分作るのも
たまぁに畳んでくれてた洗濯物をしまうのも
「…遅すぎるくらいやわ!」
「A、意外と寂しいんやろ(笑)」
「…なんでぇな」
「俺はちょっと寂しいかなぁ〜」
渋〈お前は素直になれへんやつやからな〉
私の記憶の中で、渋谷さんの声がした
「…」
安「A?」
68人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みくや | 作成日時:2024年3月24日 22時