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貴方side
そう言うと、トントンは私の方に体を向けた。
酷く優しいいつもの笑顔。
それに似つかわしくない手に握られた包丁。
「駄目やろ、、そんな風に挑発しちゃ。」
『でもそれに乗っちゃったのはどこの誰?』
もう、何も驚かないよ。
コネシマの時、あいつは夢の中の出来事を知っている素振りを見せた。
生憎、まだそれが真実だって思えるような確証は無いけど、きっとこれが正解なのだろう。
きっと皆は、私の見る夢について知っている。
それを隠して、騙して生活してた。
いつからなんかは知らない。知りたくもない。
ただ、“それ“に悩まされて、苦しんでるのに知らんって背を向けるのは違う。
「しょうがないよな。もう知ってるAに優しくしても、俺の事信用してくれへんのやろ?」
『信用して貰えないような事をしたって言う自覚があるならそうなんだろうね。』
私の肩を掴んで、持ってる包丁を首元に突き立てる。
顔は笑ってるのに、目は笑ってない。
酷く冷たい目をして、トントンは私を見つめていた。
「残念やなぁ、、俺はAの事ころしたく無かったんに、、。」
『、、私の事ころすの?』
「そりゃ、バレたんならころすしか無いやろ。他の奴らに先越される前に。きっと俺がAに勘づかれた事を言わなくとも、シャオロンづてにあいつらに広まる。そしたら俺の知らない間に他の奴に奪われてまう。そんなら、奪われる前に俺が奪ったるんや。」
『ふーん。まぁ良いよ。早くやりなよ。』
「言われなくともそうするわ。」
突き付けられた包丁が私の喉を切り裂く。
つぷっって穴が空いたような音を立てて、自然と熱がそこに集まる。
ただ、それだけ。
『、、まだ?』
「、、、、。」
『ねぇ。何とか言ったら?』
「、、、、。」
『、、やっぱりだ。』
今の現状が物語ってる。
ころすなんて明確な榖意を示したくせに、さあ本番ってなったら何も出来ない。
今のトントンに、私は”ころせない”。
続く
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はゆり - え?皆さん私モテ知っていますか?私すごくその漫画が好きでこの小説で出てきて興奮しました。作者様も私モテのファンだと嬉しいです。(25話) (7月28日 22時) (レス) @page25 id: 647d51317b (このIDを非表示/違反報告)
るーるー。(プロフ) - うお。怖い。これは、、、ホラー?ま、いいや。タイトルからなんかゾクッときてしまいました。展開がとても気になります。更新頑張ってください。 (2023年4月26日 15時) (レス) @page39 id: a2c8966320 (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - 大戦犯さん» 解いてます!期限付きなのでどうぞお楽しみください! (2023年3月15日 19時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
大戦犯(プロフ) - パスワードが、パスワードが解かれている!!キェェェェェェェェ(歓喜) (2023年3月15日 14時) (レス) id: 8079df56ee (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - ぱんけーきさん» ぱんけーきさんコメントありがとうございます!体の一部ですか?!むしろどこら辺が欲しいのかで話は変わって来ますが、取り敢えずそう言って頂けて、とても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年2月2日 19時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:俎 | 作成日時:2022年11月26日 11時