爪一枚【d!】

47枚目 ページ47

貴方side



「ありがとな。でも俺は大丈夫やから。それよりAの方が大変なこと沢山あって疲れとるやろ。心労とかも掛ってるだろうし、そんなこと心配せんでええんやで。」


まだ、こっちは見ない。


『、、やっぱりトントンは優しいね。いつも自分を蔑ろにしながらも私たちの事を思って何か行動してくれる。』


ぴくって、少しだけ肩が動いた。
トントンは何かと、褒められることに慣れてなかった節があった。
もしかしたらと思ったけど、、。


『でも、やっぱ我慢し過ぎなんじゃない？』


「んー？どういう事？」


やっぱりトントンは嘘つきだ。
私が分からないとでも思ったのか。


『トントンも同じでしょ？コネシマとか、、シャオロンみたいな。何か隠して生きてる。ずっとね。流石にもうそろそろ騙せないでしょ。あんなにも大胆に襲ってきた癖に、白々しい。』


「、、何をや。」


『あれ？トントンも見てないのかな？“夢“だよ。私の爪が剥がれたあの日、私トントンの夢見たんだ。いつも通り優しいトントンだったけど、、突然変わっちゃったんだよね。』


『私の腕食べて、「おいしいおいしい」って笑ってたよね？あの時のトントン、、凄い楽しそうだった。あれがホントなんだよね。ホントのトントン。いつもは理性的な人間装ってるけど、ホントは私の事めちゃくちゃにしたいんだよね？』


「、、、。」


―――「ほんま、すぐ理性効かなくなるから困るわー。怒られるんわ自分なんやで？お前外面いい癖に理性弱いのが駄目なんよ。」―――


夢の中でオスマンは言ってた。
もし、夢の中で見たトントンが本当なら、そろそろ我慢の限界が近付いて来てると思う。
トントンは我慢するの、好きじゃない。
何かの結果のために努力を惜しまないだけで、我満とは少し違う。


『、、ね？“あの時の続き“でもする？』


今のトントンに我満を強いるのは、無理な話だ。


続く

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