検索窓
今日:41 hit、昨日:17 hit、合計:136,414 hit

42枚目 ページ42

貴方side



頭に酸素が回ってこなくなるから、自然と視界が霞み始める。
判断力が鈍る。
何も考えたくなくなる。


「A、、ちょっと苦しいけど、我慢してな?これもAのためなんや。」


ふいに、シャオロンの声がその場に現れる。
私の為だと言いながら、髪の毛を撫でて、自然と抱き寄せる。
耳が心臓に近づく。鼓動が大きく聞こえてくる。
不安定なリズムと、決して暖かいとは言えないような体が強く主張する。
「死」という現実を。


『、、、、。』


このままシャオロンと死んだら、楽になるかな?


『、、、。』


もう全部投げ出して、死んだら私は幸せになれるかな?


『、、。』


このまま、何もかも手放したい。
もう絶望したくない。
失望したくない。
楽になりたい。
死にたい。




一呼吸の間、そんな迷いが私を覆った。
一瞬の間、私は自ら諦めることを選ぼうとした。
心の限界。
それを目の当たりにして、私は今、諦めようとした。


『、、、だな。』


「、、(名前?)」


『、、やだな。やっぱりまだ諦め切れて無いとか、、。』


諦め悪いのは昔から。
でも、ここまでだなんて知らなかったよ。


『、、ごめんねシャオロン。私まだ諦め切れなかったよ。』ボソッ


「、、、っ?!」


そう小さく呟くと、目の前にあるシャオロンの胸板を力いっぱいに突き放した。
完全に油断しきったシャオロンの腕は、私なんかでも振り払うことが出来るくらいには優しいものだった。
突き放した衝撃で、後ろの壁に背中を叩き付けるシャオロン。


「、、、んで?なんでなん、、?そんなに俺の事嫌いなんか?」


乱れた髪の中から覗く目は、ドス黒い感情が混ざり合った色で、一重に私だけを映していた。


続く

43枚目→←41枚目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (244 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
656人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , ヤンデレ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はゆり - え?皆さん私モテ知っていますか?私すごくその漫画が好きでこの小説で出てきて興奮しました。作者様も私モテのファンだと嬉しいです。(25話) (7月28日 22時) (レス) @page25 id: 647d51317b (このIDを非表示/違反報告)
るーるー。(プロフ) - うお。怖い。これは、、、ホラー?ま、いいや。タイトルからなんかゾクッときてしまいました。展開がとても気になります。更新頑張ってください。 (2023年4月26日 15時) (レス) @page39 id: a2c8966320 (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - 大戦犯さん» 解いてます!期限付きなのでどうぞお楽しみください! (2023年3月15日 19時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
大戦犯(プロフ) - パスワードが、パスワードが解かれている!!キェェェェェェェェ(歓喜) (2023年3月15日 14時) (レス) id: 8079df56ee (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - ぱんけーきさん» ぱんけーきさんコメントありがとうございます!体の一部ですか?!むしろどこら辺が欲しいのかで話は変わって来ますが、取り敢えずそう言って頂けて、とても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年2月2日 19時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年11月26日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。