爪一枚【d!】

41枚目 ページ41

貴方side



『、、あ。』


ヤバい。

直感的にそう感じた。
この状況、かなりヤバい。


『、、っ離して！！』


「いーやー！離したらA絶対逃げるやん！、、そんなの、見透かしてんねん。」


私の手を頬に擦りつけながら、見たことも無いような恍惚とした顔。
ぞくりと、背筋に寒気が走った。
そうだよ。
あんな事をするような奴らが、まともな感性持ってるわけない。
私は、最初から泳がされてたんだ。


「Aも酷いよなー、、。俺の、、俺らの好意に気づきもせず、今まで辛い思いさせて来たんやもんなー？」


手を握る力が強まる。
憎悪と恋情が混ざった、酷く汚い色の瞳。


「、、でももう大丈夫なんや。一緒に居れば、、Aだって今までの事許してくれる。ずっと一緒に居ったんやもんな？Aなら、、受け入れてくれるやろ？」


煙たい。
なんで気付かなかったのか、本当に謎なくらいだ。


「なぁ、、一緒に死のうや。どうせ苦しいんは一瞬やから！二人あの世で幸せに生活しような？あの世だったら他に邪魔者なんて現われないし、今度こそ愛しあえるで！」


「だからA、、死んでくれへん？」


息がしずらい。
緊縛した状況の中、シャオロンはずっと私と死のうとしてたんだ。
密閉された部屋、どこから出ているのか分からない煙、私を離そうとしないシャオロン。
状況が最悪すぎた。


『、、離して！離してよっ！！』


「そんな拒否らんでも、、俺悲しいんやけど、、？」


シャオロンは今、練炭自穀を図っている。
よくは知らないが、、煙を大量に吸い込むことで酸素が十分に吸えなくなって、そのまま、、。
シャオロンはそれを知った上で、私を道ずれにしようとしているのだ。


続く

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