爪一枚【d!】

38枚目 ページ38

貴方side



夢と同じ場所。
夢と同じ傷跡。
全て、夢と同じだ。


『、、どういうこと、、。』


次々と流れ込んでくる情報の山に混乱しながらも、寝起きの冴えない頭で考える。
連日で見る、謎の怖い夢。
私の知らない友人像。
夢とリンクする謎の傷跡。
正体不明のストーカー。
たった数日の間で、いろいろな事が起こり続けている。
きっと、私がいくら頭をひねって考えたとしても、それの答えには到底辿り着けないことは容易に想像できる。
だが一つだけ、一つだけ分かることがある。


この不可解な現象には、"彼ら"が絶対に関わっている。


だとして、私は一体どうすれば良いのだろうか。
私を支えてくれる、、否。
"支えててくれていた"彼らを、私は心から疑えるのだろうか。
真実を知った時、私は彼らを、突き放すことができるのだろうか。



私は、彼らを信じられるのだろうか。



私の心の中で黒くて気持ち悪い靄が溢れる。


『、、気持ち悪いっ。』


彼らを疑ってしまう自分にも、心から信じられない彼らにも、、。
嫌悪感と吐き気が同時に私を襲っては、だんだんと強くなる。
それと同時に、彼らに対する不信感も大きくなっていくのも事実で。
人間。一度疑心が現れれば、それをまっさらに消し去ることなんて出来やしない。
愚かな生き物なんだ。










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「、、少しは落ち着いたか？A。」


『うん。ありがとシャオロン。』


時刻は昼時。
差し出されたお茶を飲みながら、一言も話さないまま時間が過ぎていた。
だが、シャオロンの言葉で会話が飛び交った。


「ほんまにコネシマは何がしたかったんやろか、、。」


『それはシッマにしか分からないよ。同じ人じゃないんだから。』


「、、それもそうか。」


また沈黙。


続く

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