爪一枚【d!】

35枚目 ページ35

貴方side



『何を、、言って、、？え？』


「あれ？Aもあの夢見てへんかったの？、、まぁどっちでもええねんけど。」


コネシマはそう言うと、ゆっくりと私の首に手を近付ける。
それがどうにも自然に。
まるで、日常の一コマのような感覚で。


「お前が覚えてなかろうが、俺が覚えてるんやから、約束やって果たして貰ってない。嘘つき。嘘つき。」


『、、っあ゛、、ぐっ、、。』


「お前は言ったんや。“どこにも行かない。置いていかない。安心して。いつでも側に居る。“俺が忘れない限り、お前の言った言葉は現実なんや。」


段々と息が苦しくなってくる。
今すぐにでも抵抗しないと、きっと私はﾀﾋぬかも知れない。
でも、心の奥底で、これも夢の続きなんだと信じたい、そんな気持ちが残っている。

これは夢で、本当のコネシマはこんなことしなくて、いつも見たいにみんなで仲良くして、バカみたいなことで笑い会えるんだと、心の何処かでそう信じて居たかった。
それでも、爪を剥がされた指、閉められている首、無表情ながらも、何処か悲しそうなコネシマの顔。
全てが、これが現実なんだと教えてくれる。


「嘘つき。俺らが、、俺が、どんな気持ちでお前と一緒に居たか分かるか？クソ野郎。何も知らないで許されるわけが無いんや。このままﾀﾋねば、、お前の最後の記憶は俺になるんやろな？ﾀﾋねば俺のもんになってくれる？ありがとうな。中途半端に生きてんじゃねぇよ。ﾀﾋね。」


感情の収集が追い付いて無いのか、コネシマはそんなことを言いながら首を絞める。
私も、酸欠で意識を失いかけた。


「、、シッマ！？何やっとるんや！？止めろっバカ！！」


扉の方から、そう声が聞こえた。


続く

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