9食目。 ページ10
屋敷では、ロンが玄関で待っていた。
予定時刻よりもずいぶんと遅れてしまったが、別に気にしていないようだった。
まあ、玄関で待っていたぐらいだし全然気にしていないわけではなさそうだが。
ロンに「お久しぶりです」と声をかけ、自室に戻ろうと思った
のだが、「アルテがお腹空いた！」と言って食堂に走っていくものだから、これは外でも中でも休みはないわね、と苦笑いをした。
実際、すぐに皇城に向かうことになったので休みなどなかった。
……アルテとポロのご飯もなかった。
皇城に着くなり、すぐに女帝ジュノに顔を見せた。
バニカとジュノは旅のことを話していたが、いつの間にかジズ・ティアマの話に変わっていたようだった。
バニカがセレナにジズ・ティアマを調理するように命じ、セレナは調理室へと案内された。
食料庫にはトマトがたくさん置いてあった。
ベルゼニア全土で栽培されているトマト。
(確か、『溺れるジズ・ティアマ』という名前の料理があった気がする)
『溺れるジズ・ティアマ』。
簡単に言えば、トマトとジズ・ティアマを煮込んだ料理。
決して難しくはないが、煮込むのには少し時間がかかるだろう。
煮込む時間が短くなる鍋があったかな、と考えながらセレナは調理室に向かった。
セレナはジュノに『溺れるジズ・ティアマ』を差し出した。
「これは？」そう言いたげなジュノに、セレナは料理の説明をした。
「食料庫にトマトがたくさんありましたので、それでジズ・ティアマを煮込んでみました。」
バニカはそれを受け取り、ジュノに手渡す。
この『溺れるジズ・ティアマ』の料理の説明から始まり、最終的にはジュノに食文化の発展の協力を促すバニカの話術には、セレナは少し感心してしまった。
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (
レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いんく | 作成日時：2016年8月1日 22時
