【番外編】質か、量か? ページ34
ある日、アルテとポロが二人でセレナに話しかけてきた。
「ねぇセレナ」
「聞きたいことがあるんだけど」
「私はさ、料理はやっぱり質だと思うの。」
「いや、量でしょ。量。」
「セレナはどう思うの?」
「質か、量か。」
ぐいぐいくる二人に、セレナは苦笑いをした。
少し考えて、私はね、と人指し指をたてた。
「私はやっぱり、雰囲気かな。
美味しいものは食べたいし、お腹一杯食べられたら嬉しいよ。
でも、ちゃんとしたオシャレなところがいいなあ。」
近くにあった椅子に座り、話を続けた。
「そうね……紅茶がいいかな。クッキーが少しあったら最高かも。
例えばポロなら、安い茶葉でいっぱい飲んで、普通のクッキーを何十枚もボリボリ食べるんじゃないかな?
アルテなら、いい茶葉で紅茶を一杯飲んで、高級なクッキーを一枚だけ食べるかもしれない。
でも私は、安い茶葉でも高級なクッキーでも何でもいいから、椅子に座って、中庭とかで素敵なアフタヌーンティーを過ごしたいな」
目をつぶりながら、『素敵なお茶』を語るセレナ。
その『素敵なお茶』の風景がアルテとポロにも浮かんだよう。
「なにそれ、最高じゃない?」
「すっげぇいい!」
手のひらを返すように称賛し始めた二人の姿を見て、セレナは微笑んだ。
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いんく | 作成日時:2016年8月1日 22時