第58話 和泉守兼定 ページ9
クソ白太刀の提案に渋り顔になりながらも一つ頷けばあの野郎、スタスタと歩みを進めいつでも私の首を刎ねれる様にと斜め後ろあたりまで歩み寄ってきた。
兼「……いいな、見習い」
あ「……嘘偽りは述べません。ですから、貴方の質問は五つまで。それ以上は黙秘します」
兼「了解だ」
互いに了承を得た今、何故か緊張感がこの場の空気を包み込む。何を聞かれるのかと内心ひやひやとする。
兼「まず、一つ目だ」
よし、もうなんでも答えてやる！さぁこい‼‼
すると兼さん刀剣男士はするりと携えていた刀を手に持ち、私に見せる。
兼「この刀に、見覚えはないか？」
すみません、私斬魄刀は詳しくても刀に関しては専ら無知な上、全く無関心だ。歴史上の人物の名を挙げてもらえれば、ああね、みたいになるけど。
あ「ありません」
素直に即答した。
すると何処か泣きそうな顔をする彼に、罪悪感を感じる。
兼「そうか……二つ目、新選組に……会ったことはあるか」
あ「っ、」
____ドクンッ
不意に心臓が大きく脈打ち、どっと冷や汗がでる。
この質問は、駄目だ。新選組、会ったことがないと言えば嘘。あると言えば不自然に思われる。
ただの人間が、幕末の新選組などに会えるわけがないのだ。会っていたとしても、故人。生きている事はまずあり得ない。そう、ただの人間なら。
カチャッと金属音が鳴る。
傍であの白太刀が柄に手をかけているのだろう。
あ「……っ、」
兼「どうなんだ、見習い」
拒否する、即ちそれは肯定と疑われる。
くそっ、嘘偽りは言わないと言霊として言ってしまった今、引き返す事はできない。無意識に強く手を握った。
あ「………あり、ます」
「「「「‼⁉」」」」
後方四人が息を飲んだことが嫌という程伝わってきた。兼さん刀剣男士は、何かを堪える様な表情を浮かべ続ける。
兼「三つ目、和泉守兼定という刀の名を聞いた事はあるか」
和泉守…兼定……
土方さんが、自慢してた刀の名。
彼の名は、なんだっただろうか、皆さんが口を揃えて、目の前の彼を何と呼んでいただろうか。
あ「…あります、」
兼「四つ目っ、……誰に、聞いた？」
私が人間でないことが、バレる。
嘘は、つけない。拒否権を行使したとして、それは肯定を意味する。意味など、ないのだ。
あ「……っ、土方、…歳三」
瞬間、チャキッと音がなり首筋に何か冷たいものが充てがわれる。
何かではない、刀の鋭い刃だ。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです！！！ (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか？早く続きが読みたいです！！ (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ！！！すごく面白いです！！！今後の展開も楽しみです！ (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です！更新お待ちしております！ (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです！！三日月、大好きです！ (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミコ | 作成日時：2017年8月28日 12時
