第78話 土下座 ページ29
役「………ん?」
ぴたりと足を止め、後方の審神者ちゃんの方へと向いた。麗華も彼女の方を見やる。
敵審「確かに、彼女がした行いは許しがたいものであり、罰せられるものだとは思います」
役「で?」
双眸を細め冷徹な眼差しを向ける榊に、ビクッと身体を震わせるも負けじと審神者ちゃんは彼を見据える。
敵審「ですか、彼女は彼女なりに頑張ってきた事は知っています!陰で沢山泣いている事と知っています!もう一度彼女に、チャンスを与えてほしいです!」
小柄な審神者は深く頭を下げ、無理を承知で榊に願い出た。然しこの様な事で動じる相手ではない事は、数回しか会っていない私でさえもわかる。
上に立つものは、私情で動いてはならない。
役「………悪いが、それは出来な、」
兼「頼む‼‼」
役人の前まできた和泉守はがばっと勢いよく頭を下げ、必死に縋るような声色で願い出る。
兼「確かに、しちゃいけねぇことを主はやった。だがっ、こんな人でも俺にとっちゃただ一人のっ、大事な主なんだ‼頼む!連れて行かないでほしい‼」
役「無理だな」
鶯「頼む。一応仮にも俺達の主なんだ。愚かな行為をしていたとはいえ、慕っていたのもまた事実。どうか赦してほしい」
役「駄目だ」
兼「お願いだ‼‼これ以上、本丸の誰も失いたくねぇんだ……っ。頼む‼‼」
一度顔を上げたかと思えば、和泉守はその場で正座し額を地に擦り付ける様に頭を下げ土下座した。
その行為が予想できなかっただろう榊は勿論の事、審神者の麗華さえも驚愕した様に大きく目を開いていた。
主「い、ずみ……の、かみ、」
役「おいおい、神様がそんな事、」
和泉守は忠誠高い刀だ。あの人の刀だから、それが彼にも受け継がれている。
例えどんな事をしたとしても、それでも大切な、仕えるべきと思うただ一人の審神者なのだと……
ふと思い出すは私の部下達。
彼此色々やらかしてきたばかりの者達、勿論私だって色々やらかしてきた。
けれど、それでも慕われるのは、主たる私を思ってくれている一つの証拠。
彼らは口を揃えてこういう。
主が主だからこそ、俺達は仕えていきたい。
契約があってもなくても、貴女だけに仕えたい。
何よりも大事なのは、部下からの信頼。
彼らは麗華という審神者ん必要としている。
……となると、私がやるべき事は一つ。
役「何やって、」
あ「私からもお願いします」
和泉守の隣へ歩み寄り、彼に倣う様に土下座をした。
第79話 審神者の処遇→←第77話 久し振りの更新んんんん!
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時