第51話 ジジイの少しの本気 ページ2
派手に動き回った方が戦いやすいけど、何せこんな狭い拓けた地形に加えて側はおいでませ奈落の底へと言わんばかりに崖になっている。
この部隊はほとんどが太刀で刀が大きい、大きく振るいたくてもできないが、それは敵も同様。
……とか思うのが普通。
だが敵の奴等は違った。
『ガァァアア‼‼』
あ「ちょっ、場所を考えろっての‼」
三「ふむ、これはちと不味いな」
手狭のくせに大太刀をぶん回し攻撃してくる。
あと残り大太刀2体……先程と何も変わらないのに然し何故か強さが増している。胡乱げになっているのは私だけじゃなく三日月さんも何かに気が付いた。
三「(術者の仕業か？)……やれやれ、少しばかり本気になるか」
あ「………へ？」
三日月さんが美しい刀をしっかりと握り構えた瞬間、それは本当に一瞬だった。
太刀とは思えない機動に加え、一太刀で大太刀一体を抹殺したかと思えば、迫る2体目の刃を堂々と真正面から受け止め弾いては、一・二打撃を食らわせ倒した。
……待て、本丸のあのほけほけジジイは何処行った⁉あれが少しの、少しの本気⁉⁉
何よりも彼の立ち姿といい構えといい、全てが美しく圧巻で少しばかり見惚れていれば、三日月さんは笑いながらふわりと微笑む。
三「じじいも中々やるだろう？」
中々じゃねぇよ、凄すぎるよジジイ。
敵なんかに絶対回したくないなと思っていれば、ずっしりと体に重力が掛かる。何かと思えば、兼さん刀剣男士がむっすりと拗ねている。
兼「おい見習い、俺も格好良かっただろ？」
あ「え？はい」
面越しでもわかる様にと柔らかく微笑めば、満足そうに笑みを滲ませ頭をウリウリされた。痛、痛い。
ちらりと周りを見れば、他の方々も敵を倒し終えた様で大きな石の上に腰を下ろしている刀もいた。
……まぁ、相変わらず殺意丸出しの白は私を見てるけど。私が気に食わないと言ってたし、今後なるだけ接触を控えよう。いや、向こうから来てるし無理じゃん。
気を緩ませていた為に、私含む第一部隊は気付かなかった。
鶴「この崖の下、濁流だぜ？落ちたらひとたまりもねぇな」
鶴丸国永が落ちない様にしつつ下を覗いていた時に、ヒュンッと風を切る音がした。マズイと思って見れば感付いた彼は矢を落とすも2本目は防げずに腕に深々と突き刺さった。
鶴「っ、…‼⁉」
兼「おい、鶴丸‼‼」
体勢を崩し後脚に力をいれた地面がボロッと崩れ、濁流の波ある崖へと身を投げ出された。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです！！！ (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか？早く続きが読みたいです！！ (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ！！！すごく面白いです！！！今後の展開も楽しみです！ (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です！更新お待ちしております！ (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです！！三日月、大好きです！ (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミコ | 作成日時：2017年8月28日 12時
