5.がんばらない ページ6
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バンッ、とすごい音がして数秒。
奇跡的にボールを避けた私は、その場に突っ立っていた。そして、練習を中断してまで安否確認をする数名。
「白鷺、お前避けたよな?」
「つまりは当たってない?」
「だ、だ、だ、大丈夫ですか!!!!」
「ウンウン、まずは工が落ち着こーネ。……もー、隼人クン、気をつけてネ!」
「わ、悪い。大丈夫か?」
上から白布、川西、五色、天童さん、リベロさん。
もう鷲匠監督怒ってるから、激おこだから。
「大丈夫デス」
溜息をつき、鷲匠監督を見ながら言った。
ゾロゾロとコートに戻っていく5人。その時、例のスパイクを打った牛島さんと目が合った。雰囲気的なものでペコりとお辞儀する。
そんなことがありながらも練習が終了。鷲匠監督からも脅されたし、白布からの無言の圧力をかけられて明日も行かざるを得なくなってしまった。
私は寮生だから、同じ寮生であるバレー部一同が送ってくれると言うことで体育館前で待機していた。
「白鷺」
「……牛島さん」
名前を呼ばれたと思い、振り向くと牛島さん。久しぶりに真正面での会話は少しだけ緊張する。
「バレー部にマネージャーとして入ると聞いた。本当か?」
「まだ、分かりませんけど」
体験も何もしてないからハッキリとは言えない。でも、バレーで何かを見い出せるなら多分、入部すると思う。
「……そうか」
フッと少しだけ口角を上げて笑った牛島さん。ほんの少しだけ嬉しそうな表情に見えた。
静粛が訪れたのも束の間。
「Aチャーン!」
「……天童さん」
「ちょ、なんで嫌そうなカオするの!」
「嫌だから」
先輩に対してのリスペクトはどこか消えていった。
「オレ、Aさんがマネージャーになってくれるの楽しみにしてますね!」
「楽しみにしないで」
なんか既に入ることになってる気がするだけど、気の所為だよねぇ。
そこで白布が一言。
「牛島さんにも言わせてるから入るしかないと思うけど」
「………」
ふいっと顔を背ける。知らない、私は何も聞いてない。
「こら、白布。それは白鷺も断るに断れないだろ」
「瀬見さんには関係ないです」
「ほんっと、かぁいくねぇ!!」
っ、びっくりした。急に大声を上げたのは瀬見さん……?って先輩だった。
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ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…??(すっとぼけ顔)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2020年6月24日 21時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…?あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い!更新頑張ってください! (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります(真顔)。応援ありがとうございます! (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え?夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます! (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう!!自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね!!更新頑張ります! (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年3月8日 22時