幸せのおすそ分け１０【あんスタ】 (ページ23)

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473話ページ23

✩

『はぁっ…はぁ…た、体力が…限界…！』

これで何曲目なんだろう…

分かんないけど、とにかく私は披露する予定だった曲を全部歌いきったのだけは確かだった

『はあ…はぁ…はは…ひ、一人だと…はぁ…呼吸を整える時間も、ないのかぁ…』

｢落ち着いて～！！｣

｢大丈夫だよおお～！！！｣

『あはは…あ、ありがと～…』

なんて情けないんだか…

私は呼吸を整える時間を与えてもらうと、次どうするかをフル回転しながら考えていた

次…次は、これで終わりって伝えないと

『はぁ…ありがと～、ほんとに助かった…さっき宣言した通り、今ので最後だったんです』

｢｢えええぇ～！！｣｣

『あはは…私普段はパソコンに向かって喋ってるだけだから、ほんと体力不足を実感しちゃいました…♪』

えぇと、締めってどうやってすればいいんだろう

私が喋りながら考えていた時だった

『なので。こうして皆さんの顔を生で見られて、とても嬉しかっ…っ！？』

｢｢…？｣｣

『…』

『やっほ～♪』

りっちゃんがステージに上がってくると、会場は大騒ぎになった

さっきまでいい感じに終わろうとしてたのに

それより

私は全身の血を抜かれたみたいに身体が冷えた

私にはこの後の展開が読めたから

『その様子だと、もう分かってるみたいだねぇ』

『な、なんで！？単独ライブは大成功のはずでしょ！？』

『ふふっ♪怯えてるAも可愛いけど、今はかっこいいAを皆も見たいよね～？』

『り、りっちゃん…嘘だよね？』

『嘘の発表のために、わざわざ俺がステージに上がると思う？』

そんな…

これが、｢証明｣じゃなかったの！？