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「先生、レントゲンはどうですか?」
先生は早速2つの端末を台に置き
スイッチを押す。
すると小さな光を放った後、細川さんの端末には四角いコンデンサーが組み込まれているのが、レントゲンに写っていた。
しかし、東海林さんの端末にはそれが無い。
つまり、あの腕と耳の裏の発赤は、端末の異常による低温火傷の痕だという事になる。
こんな改造を施せるのはただ一人……。
その事を所長に説明する為、オフィスへ戻ると
私の携帯に東海林さんからの着信が入っていた。
私は東海林さんへ折り返す。
「あ!A!2人の殺された理由が分かった。
2人はビットコインの詐欺で、4億を手に入れたらしいの。その詐欺に立花と岩永も関わってた。それを手に入れるために4億巡って殺したって訳。
…で、私が二課に容疑者扱いされたのは
私が権田原の女で、4億欲しさに毒殺したって思われてる」
「理由は分かりました。でも私4人とは初対面ですよ?」
「私がAに4億の話を持ちかけて、一緒になって殺害したって事になってる」
…見当違いもいいところだと、思わず薄ら笑いを浮かべた。
そして東海林さんにお礼を伝え、通話を終了した。
所長室では、中堂先生が所長に端末と死因の説明を始めていた。
「端末には、ハイパワーのコンデンサーが組み込まれていた。__電流を流すために」
所長は「…電流?」と、訝しげな表情を浮かべる。
「微量の電流なら、体内に電流斑は残らない。犯人が狙ったのは神経の麻痺」
私がソファに腰掛けようとすると、先生は相変わらずの口調で「立て」と命令する。
「端末が外部から信号を受信すると、微小な電流が流れる。
電流は体内を流れ、端末とイヤーカフとの共振によって増幅され頸椎の神経にショックを与える」
先生は私を自分の隣に立たせると、説明しながら私の腕をツーッと指でなぞる。
先程の事もあり、妙に頬から耳にかけて
熱いような気がしてならない。
伺うように先生を見ると、どこかしたり顏で
説明を続ける。
「頚椎のC4神経は横隔膜につながっている。
C4神経が麻痺すると、横隔膜も麻痺してしまう。
左右の横隔膜が動かなければ人間は呼吸出来ずに死んでしまう」
…絶対私の反応を見て楽しんでるな、この人。
「これ、私必要でした?」
「俺は分かりやすく説明したまでだ」
私は先生を見据え、ぽつりと「…絶対嘘」と呟いた。
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青龍 葵(プロフ) - 母親を殺した真犯人は誰なのか…今後の展開、中堂さんと恋人同士になった2人に甘い部分があるのか?とか思いながら更新が待ち遠しいです! (2018年3月20日 6時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
Soll(ソル)(プロフ) - 青龍 葵さん» もう最終回ですね〜終わってしまうのが辛い!小説の方もこれから急展開を迎えますので2人の行く末を見守って頂けたらと思います (2018年3月16日 21時) (レス) id: 55764b7fd6 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - いよいよ今日でドラマ最終回!結末がどうなるのか気になりますが小説の最後(完結)も気になります。完結まで、まだまだ先かと思いますが無理のない更新で頑張って下さい! (2018年3月16日 17時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
Soll(ソル)(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。知識の浅い素人の書く文章ですので、これからもそういった点が出てくると思いますが、少しでも楽しんで頂けるよう努力していきます (2018年3月15日 7時) (レス) id: 55764b7fd6 (このIDを非表示/違反報告)
まる - いつも楽しませて頂いてます!差し出がましいことを申しますが、細菌とウイルスは別物です!気にしないで読むつもりだったのですがどうしても気になってしまいコメントしました (2018年3月15日 2時) (レス) id: 8a313f8dce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Soll(ソル) | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/home
作成日時:2018年2月18日 19時