【名探偵ｺﾅﾝ】私、今日から一般人辞めます

たとえ敵だとしても 1 ページ37

赤井さんとの約束を取り付けた以上、もうここに用は無い。


銃撃に巻き込まれても私は避けることなんてできないだろうし。
いや、この体なら出来るのかもだけれど。

試すのは些か博打が過ぎるだろう。


『さて、少年探偵団達はどうなった？』


外まで出て双眼鏡を覗くと、既にキュラソーは頂上間近のようだ。停電まで後5分って所かな。


だけど肝心の少年探偵団の姿はどこにもない。

無いってことは、きっと今頃降りているのだろう。ひとまず彼らが巻き込まれることがない事にふぅ、とため息をつく。



『でも、皆早めに避難してくれよ。停電利用してこっちは作戦立ててるんだから』



祈るようにそう呟いて観覧車に背を向けて走り出した。


公安の人達に確認とかされてたら困るしと準備したものを確認してまわるが、やはり観覧車しか目がないらしい。

一つも撤去されてはおらず安心して、その場に立ち止まる。

準備してくれた菖蒲には感謝だ。


でももし失敗したら？


いや、キュラソーをクレーンに乗せるつもりが無いのだから失敗はできない。

だって私の我儘で、キュラソーたった一人のために大勢の命が失われてしまう。


『そうなったら、私が乗るしかないな』


事前に場所を確認していて良かったと苦笑いしながら、菖蒲に簡単なメールを送る。


内容は単純、「もし余裕があれば、キュラソー助けるついでにクレーン近くに移動させてくれない？」とだけ。


これを見た菖蒲ならきっと、今は例えランビックだとしても、コナンファンの菖蒲ならやってくれる。


『あとやるべきは、風見さんの安全か』


あぁ、私にワープ能力があればなぁ。
そんな夢を語ると同時にキュラソーを乗せた観覧車が頂点へと到達した。

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