なんだかんだ悪人 1 ページ25
ポアロを出て家に帰るまでの数分しかない帰り道。
さっきから一切喋らないこの空気を何とかしたくて、少し大通りから外れたのを見計らって声を出した。
『ね、ねぇ菖蒲。さっきから聞きたかったんだけど』
「何?」
『やっぱりついてる?』
さっきのコナン君の動き。
どっかで見たことあるな、って思ってたけどあれは確か風見さんに盗聴器を仕掛けたときと全く同じ動きだったと思う。
そう思いながら先程引っ張られた右腕をあげると、それだけで意図は伝わったらしく、数秒黙った後すぐに私の腕を取って袖口からなにかを取り出した。
「発信機能付きの小型盗聴器ってとこかな。どうせ今も聞いてるんでしょ、コーナーン君?」
こっわ。
今の言い方はアニメで出てたら間違いなく組織の幹部認定レベルだよ。
とんでもないことするなーと思ってたけど想像以上に似合ってて正直面白い。
チラリと此方をみて、「これ壊してもいい?」と口パクする菖蒲に『壊しちゃえ』と口パクで返す。
発信器がついてるってことは家バレしちゃうからね。
まだいろいろ処分してないし、万が一コナン君が安室さんに場所を教えて張り込まれでもしたら処分すらできなくなっちゃう。
まぁ、近くにすんでることはバレちゃってるからそのうち特定されるのは間違いないけどね。
手に持った盗聴器を放り投げ、かかとで勢いよく踏み潰す菖蒲。
ハッキリ言おう。めっちゃ悪人面してる。
『……菖蒲。めっちゃ顔に組織色出てるから押さえて押さえて』
「実際組織の人間だしいいじゃん。今の内に慣れとかないと、バーボンに迫られたらもっとヤバイよ?僕より潔白なくせに、僕より悪人してるからね、彼」
『まじか、いつかバーボンに脅されたいって思ってたけどそこまでなのか』
「実際に相対したら萌えの気持ちなんか吹っ飛ぶレベルだったよ。よくチビらなかったな、って」
バーボン怖すぎやしない?
いつかバーボンに脅されたかった上に殺されたかったのにそんな事言われたら恐ろしくなってきちゃったじゃないか。
そんな話をしてる内に気がつけば家も目の前だった。
推しについて話してると時間が早いわほんと。
「取り敢えず、ノートとペン持って僕の家に来て。確認したいこともあるしなるべく早くね」
『え、まぁいいけど』
それじゃあまた後でと軽く会話を交わして家へと入った。
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白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
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