127 ページ39
▽
「ねえ、君！」
『！』
マサドラのカードショップにて。1パック3枚入りで1万ジェニーのぼったくりカードパックを、とりあえずリーブが数枚出るまで爆買いして店を出た。思ったより早く揃ったけど、それでもかなりカードが増えてしまったから、使い道のなさそうなほとんどのカードは適当に捨てていこう。ここでのポイ捨ては目を瞑ってほしい。
そう思いカード整理をしながら歩いていたら、知らない男に呼び止められて冒頭に至る。
『な、なにか…？』
「君、かなりレアなカードを落し物しているよ」
『…ああ』
誰か欲しい人が拾ってくれたらいいなぁと道に放ってきたけど、この人が拾ったのか。にこりと人当たりの良さそうな笑みを浮かべてカードを差し出す彼は、単に私がカードを落としてしまったのだと思って届けに来てくれたらしい。いい人か。
理由を話し、そうなのかと驚く彼に小さく頭を下げる。しかし、そのまま通り過ぎようとしたらパシリと腕を掴まれ…えっ。驚いて彼を見ると、眼鏡越しの三白眼と目が合った。
「ーーなぁ、ボマーって知ってるか？」
一体私が何をしたというのだろうか。何度も思ったことがある理不尽への困惑が、今まさに具現化されている気がする。そういえば私、ボマー組の容姿を誰ひとりと知らないんだった。
目を見開く私とは反対に、にやりと目を細めた男に慌てて腕を振り払う。も、もしかしなくてもコイツがボマーじゃない？？
それに多分これは手遅れだ。対象に触れながら「ボマー」と言うことで爆弾を取り付ける能力、だったはず。けれどそれを説明をされなきゃ爆弾は起動しないとキルアが言っていた気がするから、今すぐ場を離れた方が懸命か？
「お前、知ってるぞ。一坪の海岸線を入手した時、アイツらと一緒にいただろ。仲間のくせして俺の容姿も聞いていなかったのか？ その不用心さ、まさにカモにネギだな！！」
『そ、それな』
皮肉に納得しつつ爆弾の説明をされる前にアカンパニーを唱えようとしたら、あっちもカードを構えたので絶望した。そりゃ持ってますよね…！
「その様子からすると俺の能力は知っているんだろうが……俺はオンナを痛めつける趣味はねえ。大人しくブックの中身をよこせば爆弾は外してやる」
思わず釣られそうになるが絶対に嘘でしょうね…。
これではいお願いしますってカードを全部差し上げたところで瞬間用済みでぶっ殺されますわ。非常につらい。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1576人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年11月24日 18時) (
レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです！最高！ (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです！番外編や次回作など楽しみにしてます！できたらで良いので書いてくれると嬉しいです！素敵な作品を書いてくださりありがとうございました！！！ (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです！蟻編楽しみにしています！ (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません！更新いつまでもお待ちしております！ (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
