5話 ページ5
学校でのAは目立たないように生活するだけだった。
その日も一人で昼食を食べにランチラッシュに向かっていた。
あそこは人がいて騒がしいが、紛れるにはもってこいの場所だった。
ランチセットを購入し、そしてスペースの端の席を確保する。
いただきます、と手を合わせたときだった。
緑「あ、Aさん！久しぶり！」
A「っ…………」
麗「デクくん、お友達？」
緑「あ、麗日さん！えっと、リカバリーガールの所でよくお世話になってるAさんだよ」
僕、怪我ばかりするから、と苦笑いする緑谷をチラッと見た後麗日を見る。
可愛い活発そうな子だと思った。
麗「リカバリーガールの…？あ、ウチは麗日お茶子！お茶子って呼んでくれてえぇよ？」
A「えっと………う、歌姫…Aです…」
凄く小さな声で名前を伝える。
ごく自然な形で緑谷と麗日がAの隣とその斜め前の席を陣取った。
麗「あ、隣えぇ？」
A「っ………」
小さく、こくん、と頷くと嬉しそうに麗日は笑った。
緑谷と麗日、そして最終的に飯田と名乗るメガネの青年が同じ席についた。
三人がいろんな話をするのを聞きながらも昼食を食べた。
三人より先に食べ終わると席を立つ。
またね、と挨拶され、やはりこくん、と小さく頷くとその場を離れた。
緑「麗日さんはすごいなぁ…」
麗「え？何？なんで？？」
緑「僕保健室でAさんに会っても実はあんまり話をしてもらえなくて…でも今日麗日さん結構話ししてたよね。」
だからすごいなって思う、と緑谷に言われ麗日は照れ臭そうにした。
席を立ってトレーを返却口へ返すと廊下の端を歩く。
自分とは正反対の人たちだ。
自分には合わない…。どう転んでもあの輪の中には入れないのだ。
ふと、死柄木を思い出した。
早く、会いたい。あの独特で静かな空間に一緒にいたい、そう思った。
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mikael(プロフ) - あすぅさん» コメントありがとうございます！のんびりペースではありますが続きも頑張って書いていきますので、お待ちいただければと思います！ (2022年1月22日 21時) (
レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
あすぅ - 最初から読ませていただきました!面白かったです!続き楽しみにしてます (2022年1月21日 19時) (レス) id: 8561b5144a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikael | 作成日時：2021年12月7日 1時
