20話 ページ20
Aを自分の隣に座らせた。
綺麗に修復された腕を指一本でなぞる。
A「ふふっ、くすぐったいよ弔…」
弔「悪かった………夢を、見ていて…」
A「私も、変な近づき方しちゃったから…」
死柄木を見上げ、そしてその頬に触れる。
少しだけ照れ臭そうに笑いつつも、Aは死柄木にキスを贈った。
弔「その、髪……」
A「変、かな？トガちゃんがアレンジしてくれたんだけど…」
弔「いいんじゃないか。」
褒められ、Aは嬉しそうに笑った。
死柄木は思う。
Aは変わった。出会った時に比べ、よく笑うようになった。俯かず、前を見るようになった。
自分に対する気持ちの表現も、以前よりはっきりとわかる。
A「私ね、弔に出会う前は自分に自信が無さすぎて…ずっと自分を隠して生きてきたの。」
Aの言葉を死柄木は黙って聞いた。
この力のせいで人のために働け、と強要されることはあっても、自分の意思で助けたいと思ったのは弔が初めてだった。
弔の隣で笑っていたい。
弔のために働きたい。
A「私の個性、弔のために使うよ。」
貴方が望むことだけを、私は実行する。
誰に強要されるわけじゃない。私自身が決めること。
死柄木は、Aの笑顔がほんの少し眩しく感じた。
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隣を見上げれば、フードを深く被った死柄木が歩いていた。
トガのいうように、2人で買い出しに来たのだ。
手を繋ぐことは出来ないが、隣を歩けるだけでAは幸せだった。
弔「他に買うものは？」
A「えっと、あとは…」
トガに渡された買い出しリストを見る。
覗き込むようにAに近づき、そのメモを見ればAは近づいた死柄木の顔を見て心臓が高鳴る。
A「あとは……………「Aさん？！」
名前を突然呼ばれ、Aはハッと顔を上げた。
目の前には緑谷と麗日、そして切島や上鳴達がいた。
A「……………弔…」
弔「大丈夫だ。こっちこい。」
Aは死柄木の後ろをついていくように裏路地へと入った。
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mikael(プロフ) - あすぅさん» コメントありがとうございます！のんびりペースではありますが続きも頑張って書いていきますので、お待ちいただければと思います！ (2022年1月22日 21時) (
レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
あすぅ - 最初から読ませていただきました!面白かったです!続き楽しみにしてます (2022年1月21日 19時) (レス) id: 8561b5144a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikael | 作成日時：2021年12月7日 1時
